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【経済】

独で60万人が雇用ピンチ 世界で進むEV化 部品点数2/3に

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 【ロンドン=阿部伸哉】世界で急速に進む電気自動車(EV)へのシフトで、自動車大国ドイツが頭を悩ませている。エンジン車に比べEVの部品点数は三分の二になるといわれ、国内で六十万人の雇用に影響するとの試算があるからだ。急激なEVシフトは雇用不安につながる懸念が強く、主力のディーゼル車の延命画策に必死だ。

 「販売済みディーゼル車に新ソフトウエアを搭載し、窒素酸化物(NOx)排出を25〜30%減らします」。八月に入り、独主要自動車メーカーは、ディーゼル車五百三十万台を無償で修理すると発表。環境対策をPRし、高まるディーゼル車排除論に歯止めをかけようとしている。

 背景にはフランス、英国が七月に発表した二〇四〇年までのガソリン、ディーゼルのエンジン車新車販売禁止がある。独メーカーは環境対応車の主力として二酸化炭素(CO2)排出が少ないディーゼル車に力を入れてきた。NOx排出も低レベルに抑える「クリーンさ」が売りものだったが、独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正疑惑が発覚、信頼は一気に失われた。

 仏英の施策は明らかにEVへの誘導策。仏はルノーやグループPSA(旧プジョーシトロエングループ)など巨大メーカーが、EVへの投資に熱心。独自動車産業の優位性を崩そうとの思惑もちらつく。

 独は一〇〜一五年、車の電動化関連で三割以上の特許を押さえており、技術上の不安はない。ただエンジンに比べ、電気モーターは構造が単純で、部品も工程も減る。独シンクタンクCESによると、エンジン車販売禁止が三〇年から始まった場合、自動車産業だけで四十三万人の雇用が失われる可能性がある。工場周辺のサービス業なども合わせれば六十万人の雇用に影響するという。

 基幹産業の浮沈に関わるだけに、独政府も仏英の動きに敏感に反応。メルケル首相の報道官は「ディーゼル車を悪者にするべきではない」としている。

 

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