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【経済】

日本国債、揺らぎ始めた信頼 財政再建先送り 「保険料」が上昇

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 投資家が日本の財政に対する懸念を強め、破綻した際に補償を受けられる金融商品を買っている。安倍晋三首相が消費税増収分の使い道を変え、財政再建の目標を先送りすることを打ち出したことで、先行きへの信頼が揺らいでいるためだ。衆院選で与野党が教育無償化など聞こえがいい公約を掲げる裏側で、市場の目は厳しさを増している。

 この商品はクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)と呼ばれ、投資家は一定の保証料を払って購入しておけば、保有する国債や社債が破綻によって焦げ付いた場合、損失が穴埋めされる。破綻のリスクが高まるほど、保証料を算出するための割合(保証料率)が上がり、保証料が高くなる仕組みだ。

 政策に必要な経費を借金に頼らずに税収でどれだけ賄えているかを示す「基礎的財政収支(プライマリーバランス)」の黒字化目標が先送りされるとの報道が相次いだ九月下旬から、五年満期の日本国債の保証料率は急上昇した。みずほ証券の丹治倫敦氏は「直近の動きは恐らく先送りの方針が影響したのだろう」と推測する。

 「欧州債務危機の時期など、かつての上昇局面と比べればまだまだ低い水準」(丹治氏)とはいえ、先行きは見通せない。信用力を評価する民間の格付け会社が、日本国債の格下げに動く可能性も取り沙汰される。

 マネックス証券の大槻奈那氏は「選挙では与野党ともに財政資金の使い道を宣伝する争いになりがちだが、市場は再建に取り組む姿勢や考え方をみている」と警鐘を鳴らしている。 (渥美龍太)

<CDS> 国債や社債を購入した投資家が、保証料を支払う代わりに焦げ付き時の損失を補償してもらう金融商品。保険の一種ともいえる。投資家が売り手の金融機関に支払う保証料は、対象の国債などが焦げ付くリスクが市場で高まったと判断されれば上がっていく。日本国債のCDSを取引するのは大半が海外投資家といわれ、日本の財政への信用力を表す指標の一つになっている。

 

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