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【経済】

ノーベル賞 米教授に経済学賞 心理学応用、意思決定分析

リチャード・セイラー教授=AP・共同

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 【ストックホルム=共同】スウェーデンの王立科学アカデミーは九日、二〇一七年のノーベル経済学賞を、米シカゴ大のリチャード・セイラー教授(72)に授与すると発表した。経済学に心理学を応用した意思決定の分析が評価された。「行動経済学」として知られるこの分野に貢献したほか、公共政策にも活用されている。

 行動経済学での受賞は〇二年のダニエル・カーネマン氏以来となる。セイラー氏は電話会見で「経済活動を行うのは人間である。経済モデルはそれを前提にしなければならない」と語った。

 従来の経済学は、人が利益の最大化のために合理的な判断をするとの前提に立っていた。セイラー氏は、人が必ずしも合理的に行動しないことが、意思決定や市場動向に影響を与えることを体系的に示した。例えば、人はお金の使い方で生活費や旅行といった目的別に判断する傾向があり総合的に考えていないと説明した。自制心の欠如から短期的な視点で行動しがちだと指摘。年金制度などの運営で、政府が国民に対し長期的な利益を示して誘導すべきだと主張してきた。

 一九四五年に米ニュージャージー州で生まれた。米ロチェスター大で博士号を取得。九五年からシカゴ大教授。「セイラー教授の行動経済学入門」「行動経済学の逆襲」などの著書がある。

 授賞式は十二月十日にストックホルムで開かれ、賞金九百万クローナ(約一億二千五百万円)が贈られる。

<行動経済学> 人間の非合理性に注目し、伝統的な経済学の論理では解明が難しかった事象を実証的に示した学問。従来の経済学が想定する「合理的な人間」ではなく、感情や環境などの要素が行動に影響を及ぼすとの考え方に基づく。ギャンブルで被った損失をギャンブルで回収しようとしたり、経済状況と株式相場がかけ離れた動きをしたりするといった事象を説明した。 (共同)

 

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