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【経済】

日米で溝浮き彫り 米、二国間協定に意欲 経済対話

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 日米両政府は十六日、米ワシントンで経済対話の第二回会合を開き、米側が日本との自由貿易協定(FTA)の交渉入りに意欲を示した。日本は二国間協定の交渉は受けない方針だが、十一月に訪日を予定するトランプ大統領の出方次第では、通商戦略の見直しを迫られる可能性も出てきた。 (矢野修平、ワシントン・石川智規)

 麻生太郎副総理兼財務相とペンス副大統領が、貿易問題や経済協力など三分野をテーマに議論した。日本政府関係者によると、会合でペンス氏は日米のFTAに「強い関心」を示したという。ペンス氏は四月に東京で開かれた第一回の対話後の記者会見でも「関心」を表明したが、会合で直接言及したのは初めてだ。

 「米国第一」を掲げ、海外に流出した雇用や生産の国内回帰を狙うトランプ氏は、就任直後に環太平洋連携協定(TPP)離脱の大統領令に署名。貿易相手国との「二国間交渉」で自国に有利な取引(ディール)に持ち込むのが基本路線だ。

 これに対し日本政府は、TPPの多国間貿易の枠組みを維持し、アジア太平洋地域での貿易や投資のルールづくりを優先させたい意向。今回も麻生氏はTPPの意義を説明したが、貿易分野を巡る双方の溝が鮮明となった。

 今回の対話は、十一月のトランプ氏訪日に向けた「地ならし」と位置付けられており、貿易赤字の削減を重視するトランプ氏が訪日時に何らかの要求を突きつける展開も予想される。

 農林水産省OBの鈴木宣弘東大教授は「米国からTPPを上回る市場開放の要求が来るのは時間の問題だ」と分析。北朝鮮情勢が緊迫化する中で「安全保障も経済外交も、米国追従の姿勢を見直さない限り、相手の要求をはね返す選択肢は選べない」と警戒する。

 一方、みずほ総合研究所欧米調査部長の安井明彦氏は「米政権に大掛かりなFTA交渉を進める体力はない」と指摘する。トランプ政権は、貿易の最優先課題に北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を挙げており、中国、韓国との貿易交渉も抱える。

 対話では、日本の輸入車への審査手続きの緩和やインフラ整備、エネルギー分野での協力強化なども確認。日本が発動した米国産牛肉の緊急輸入制限の扱いは継続協議となった。

 

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