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【経済】

欧州中銀も量的緩和縮小 来年から米に続き出口戦略

 【ロンドン=阿部伸哉】ユーロ圏の金融政策を決める欧州中央銀行(ECB)は二十六日の理事会で、国債や社債などの資産を買い入れて市中に資金を流し込む量的金融緩和策を、来年一月から縮小すると決めた。大規模な金融緩和策は二〇〇八年のリーマン・ショックを受け日米欧で始まったが、十月から買い入れ資産縮小に転じた米国に続き、欧州でも出口戦略が本格化する。

 現在月六百億ユーロ(約八兆円)の資産買い入れペースを来年一月から月三百億ユーロに落とす。九月に買い入れ終了予定だが、経済情勢が悪化した場合は再び買い入れを強化する。超低金利の政策金利は据え置く。

 ユーロ圏の物価上昇率は1・5%程度と、目標の「2%近く」に届いていないが、ドラギ総裁は「失業率の改善など、経済は堅実かつ広範囲で拡大している」と説明。またユーロ圏の財政規律が緩むことを警戒するドイツなどが国債買い入れ縮小を求めていた。

◆日銀は緩和を堅持

 欧州中央銀行が金融緩和縮小を決定する中、日銀は物価前年比2%上昇を掲げ、黒田東彦(はるひこ)総裁は九月の記者会見でも「粘り強く緩和を続けて2%の達成を図る」と緩和を堅持する方針だ。欧米が2%に達する前に方向転換したのとは対照的。日銀は目標達成を二〇一九年度ごろと想定しており、当分は緩和を終える「出口」に向かわないことになる。

 金融政策は景気が良いときに金利を上げたり世の中に流したお金を吸収したりして、「弾込め」をするのが普通のやり方だ。今後景気が悪化したとき、「弾切れ」の日銀だけが何もできない状況に陥りかねない。

 欧米の金利が上がり、低金利を続ける日本と金利差が広がれば、円安も進みやすくなる。円安は輸出企業に有利な一方、行き過ぎれば生活に関わる輸入物価が大きく上がる懸念も。賃金が上がらないのに、食料品やガソリンなどの価格が上がる「悪い物価上昇が起きかねない」(国内シンクタンク)との見方がある。

 日本総研の河村小百合氏は「影響が何もないなら日銀だけ金融緩和を続ければいいが、地銀の経営悪化などさまざまな弊害が出ている」と指摘。今後には「欧米と歩調を合わせ、少しずつでも出口に向かっていくべきだ」と提言している。 (渥美龍太)

 

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