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【経済】

検査員規定 認識甘く スバルも無資格検査

 日産自動車に続き、SUBARU(スバル)でも、資格のない従業員が新車の完成検査をしていたことが二十七日発覚した。同日夕方に都内の本社で会見した吉永泰之(やすゆき)社長は「感度が鈍いところがあった。このやり方が正しいと思い、悪意もなく続けた」と弁明に終始した。丁寧なものづくりと高い品質を強みに、世界の信頼を得てきた日本の自動車メーカー。だが、内部管理と規定に対する認識は甘く、その信頼は揺らいでいる。(中沢佳子)

 今回の問題の背景について、吉永社長は会見で、正規の検査員への認定条件に実務経験を重視したことが、規定との矛盾を招いたとの見方を示し、意図的な不正ではないと強調した。検査員として習熟したとみなしてもすぐに認定せずに経験を積ませ、総仕上げとして筆記試験を受けさせていた。

 一方で、正規の検査員が無資格者に印鑑を貸し、検査の記録書類に押印させる偽装が常態化していたことも明らかにした。その理由について、吉永社長は「完成検査は非常に重要な仕事だという意識付けのためだった」とし、長い歴史の中で繰り返したやり方で、現場で疑問を持たなかったという。

 日産の無資格検査の問題が発覚し、事態を把握してから三週間以上も公表しなかったことについて、吉永社長は「自分たちのやり方はいいのか、国土交通省に何度か問い合わせをしていた」と釈明した。

 新車の完成検査で国交省は、十分な知識と技能を持つ従業員を各メーカーが検査員として認定し、検査させるよう求めている。ただ、認定する際の共通の基準はなく、養成方法や作業の手順も各メーカーが決めている。国交省は現場の実態を把握しきれず、一連の不祥事を見過ごした。

 日産もスバルも、完成検査は検査員になるための事実上の実務訓練の場になっていた。メーカー任せの制度について、石井啓一国交相は二十七日の閣議後の会見で、「検査のあり方を精査し、見直す点がないか確認したい」と、見直しを検討する考えを示した。

 この日は、東京モーターショーの開会式。一連の問題で日本自動車工業会(自工会)の会長活動を自粛している日産の西川(さいかわ)広人社長に代わり、会長代行に就いた豊田章男・トヨタ自動車社長はショーの会場で、「国や企業、自工会で話をしながら、安心安全を守る方法を探り、協力することが重要だ」と述べた。

 

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