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【経済】

<ビットコインの世界> (4)手軽な送金「善意」集まる

レジの携帯端末に表示されたQRコードを買い物客がスマホなどで読み取ってビットコインで支払う=東京都千代田区のビックカメラ有楽町店で

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 世界から少額の「善意」が続々とビットコイン(BTC)で送られてくる。

 仮想通貨ビジネスのアドバイスなどを担うベンチャー企業、グラコネ(東京)を起業した藤本真衣さん(32)は、二〇一六年の熊本地震の際にBTCで約八万円の支援金を集めた。寄付した人たちのツイッターでのつぶやきを見ると、はるか遠くフランスやブラジルからの送金だった。「BTCで世界とつながったことに感動を覚えた」

 一一年末、BTCに詳しい米国人に偶然出会ったのが、始まりだった。当時は誰も知らなかったBTCになぜかひきつけられ、少額でも手軽に安い手数料で海外送金できる特徴を知った。もともと恵まれない子どもの支援をやりたいと考えており、「BTCを使えばできる」と直感した。

 今年一月には、BTC寄付のプラットフォーム「KIZUNA(絆)」を創設した。寄付をしたい人はホームページにアクセスし、活動に賛同する団体のQRコード(バーコードの一種)に自分のスマートフォンをかざすだけで、すぐBTCで送金できる。累計の寄付額は約三百件で四百万円ほど。小口の寄付を積み重ねているのもBTCならではだ。

 最近は、仮想通貨関連の仕事や講演の依頼も急増している。「BTCは社会に認知され始めた」と実感しつつ、「利点である送金での利用はまだ広がっていない」と冷静にとらえる。

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 送金と並んでお金の重要な役割は、取引の決済だ。家電量販店のビックカメラは直営全店でBTC決済に対応させ、顧客は店備え付けの端末に自分のスマホをかざせば支払いができる。「興味本位で試したいというお客さまが多い」(広報)。今のところ「物珍しい」存在にとどまる。

 普通のお金として定着できるかも分からないBTCだが、仮想通貨の波を起こし、世界を揺り動かしているのも確かだ。三菱UFJフィナンシャル・グループは十月、開発中の仮想通貨「MUFGコイン」を初めて披露した。中国やスウェーデンなど世界の中央銀行も仮想通貨の発行を検討。計画がない日銀も、技術面の研究は続けている。

 将来、BTCのような管理者がいない仮想通貨と、中銀発行の仮想通貨が「覇権を争う」とまで指摘する識者もいる。日本で仮想通貨取引所の最大手に成長したビットフライヤーの加納裕三社長は九月、都内のイベントで起業当初からの変わらぬ思いを語った。「BTCとその技術が世界を変えると信じている」 =おわり

 (この連載は渥美龍太が担当しました)

 

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