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【経済】

ロシア資金、FBへ流入か パラダイス文書で判明

 米会員制交流サイト(SNS)大手フェイスブック(FB)、ツイッター両社にロシアのプーチン政権からタックスヘイブン(租税回避地)のファンド経由で多額の資金が流入していた疑いが六日、浮上した。FBには少なくとも約二億ドル(二百二十九億円)流入した可能性がある。プーチン政権に近いロシア人投資家が関わっていた。

 米大統領選干渉疑惑では、ロシアのSNSを通じた世論操作が指摘されており、FBなどへの影響力行使を狙った投資との見方も出ている。

 租税回避地関連資料「パラダイス文書」に基づく国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)の取材で明らかになった。

 また、ロス米商務長官と関係の深い海運会社ナビゲーター・ホールディングスが、米国による経済制裁対象であるベネズエラの国営石油企業PDVSAと取引をしていることも判明した。

 事業取引自体は制裁違反ではないが、批判が出そうだ。

 FBに投資したのは米国在住のロシア人ユーリー・ミルナー氏(55)。自らが二〇〇五年に設立した投資ファンド「DSTグローバル」が〇九年五月、二億ドルを投資した。

 一方、ロシア政府系天然ガス企業ガスプロムは傘下のファンドを通じ租税回避地の英領バージン諸島にある事業体に一億九千七百万ドルを融資。この事業体がDST子会社を所有しており、傘下のファンド、DSTなどを経由しガスプロムの資金がFBに投入されたとみられる。

◆クシュナー氏にも出資

 トランプ米大統領の娘婿クシュナー大統領上級顧問が二〇一五年、ロシア人投資家ユーリー・ミルナー氏から、自身の不動産取引仲介会社に八十五万ドル(約九千七百万円)の出資を受けていたことがICIJの取材で分かった。ミルナー氏は自己資金から拠出したと説明した。

 ミルナー氏はクシュナー氏とは一六年に一度会っただけとした上で「出資は純粋にビジネスだ」と語った。

 クシュナー氏は一四年、投資家の弟らと不動産取引の仲介サイトを運営する会社「カドレ」をニューヨークにつくった。資産は約八億ドルで、クシュナー氏は現在も二千五百万ドルの株を保有。同氏やカドレはICIJの取材に応じなかった。 (共同)

◆プーチン政権に近いロシア人の投資家

 <ユーリー・ミルナー氏> 米カリフォルニア州在住のユダヤ系ロシア人投資家。1961年、モスクワ生まれ。2005年、投資ファンドDST(現DSTグローバル)を創設、フェイスブック(FB)やツイッターなどに投資した。FBのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は友人。今年3月には米経済誌フォーチュンの「世界の指導者」の一人に選ばれた。総資産は35億ドル(約4000億円)。ロシア政府の経済発展に関する委員会メンバーに選ばれるなどプーチン政権に近い。 (共同)

◆名前の由来は「税の楽園」

 ICIJが今回新たに入手したタックスヘイブン(租税回避地)関連資料は、回避地法人設立を代行する法律事務所の内部資料など1340万通に上る。

 租税回避地は美しい島国に多いほか、フランス語などで「税の楽園」と表現することからICIJは「パラダイス文書」と名付けた。

 パナマ文書同様、欧州の有力紙南ドイツ新聞が入手し、ICIJと共有した。同紙は情報源を一切明らかにしていない。

 1340万通は英領バミューダ諸島発祥の法律事務所「アップルビー」とシンガポールの信託業者「アジアシティー」の内部文書や、租税回避地など経済情報の透明性が低い19の国・地域の登記書類。

 

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