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【経済】

TPP首脳合意見送り 閣僚会合 新協定案発表へ

 【ダナン=山上隆之】カナダのトルドー首相が環太平洋連携協定(TPP)参加十一カ国の閣僚合意に難色を示して首脳会合の開催が見送られた問題で、十一カ国は十日夕から、閣僚会合を急きょ開いた。改めて前日に大筋合意した新協定案を確認。議長の茂木敏充経済再生担当相らが十一日、記者会見し発表。しかし首脳会合は開けず、各国トップの合意は確認できない事態となった。

 ベトナムと共同議長を務める日本の茂木氏は十日夜(日本時間十一日未明)、記者団に「カナダも含めて、大筋合意の一言一句すべてを確認した。内容は(前日と)変わっていない」と説明。首脳会合をダナンで開くことは日程上困難だとして、閣僚がそれぞれの首脳に報告する形をとるとした。

 新しい協定案は、二〇一六年二月に署名した現行の協定から、離脱した米国の要求で入った著作権の保護期間の七十年(日本は現在五十年)への延長など約二十項目を一時的に棚上げ。貿易の推進を掲げ、自国の利益を優先する姿勢をとる米国に復帰を呼び掛ける。

 加盟国が足並みをそろえて海外から輸入する製品にかける税金(関税)のほとんどを撤廃・引き下げるなど、現行の協定の骨格は維持した。日本にとっては自動車の輸出増などの効果が見込める一方、牛肉や豚肉など農産品では海外製品が安くなるため国内農家への影響も懸念される。

 今後、十一カ国は条文案をつくって国会に諮るなど国内の署名手続きに入る予定。しかし足並みの乱れが露呈したうえ、各国首脳が合意を履行するかどうかの確約もなく、先行きは波乱含みだ。

◆協議3日「合意した」「していない」 カナダ反発 異例の経緯

 【ダナン=山上隆之、清水俊介】今回のTPPをめぐって八日から開かれた交渉会合は、日本がいったん大筋合意を表明した後にカナダが否定するなど、異例の経緯をたどった。

 十一カ国は八日から閣僚会合を開き、日本は合意に向けてとりまとめを主導しようとしたが、カナダのトルドー首相は同日の記者会見で「合意を急がない」とけん制した。

 予定を延長して九日夜までかかった閣僚会合後、茂木敏充経済再生担当相は「大筋合意した」と発表した。しかし数時間後には、カナダのシャンパーニュ国際貿易相がツイッターに「合意はしていない」と投稿。トルドー氏の了解が得られなかったとみられ、首脳への報告前に合意を発表した日本政府の対応にも不満があったもようだ。

 十日午後には合意確認のための首脳会合と安倍晋三首相への取材の機会が予定されていたが、急きょ中止が伝えられた。安倍首相はトルドー氏との二国間の首脳会談で「TPPの合意を確認できる段階にない」と告げられたことを明らかにした。安倍首相は説得したとみられるが、トルドー氏は了承しなかった。

 十一カ国は同日夕に再び閣僚会合を開き、夜までかけて前日の合意を改めて確認。しかし「日程を調整できない」(茂木氏)として、首脳会合の開催は見送りとなった。

 

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