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【経済】

暮らしに影響は? ウニなど安く 食の安全懸念

 米国を除く環太平洋連携協定(TPP)の参加十一カ国が大筋合意した新協定は、実際に発効されれば輸入品の関税が下がり、日本国内の消費者には恩恵が生まれる。ただ、多くの食品が輸入されることで安全面の課題も残る。 (矢野修平)

◇輸入品の価格

 回転すし店が多く使うチリ産のウニ、ニュージーランド産が人気のキウイなど、TPP参加国から輸入される身近な食品の関税は協定が発効すると下がる。

 特に日本の輸入量全体の約五割を占めるオーストラリア産の牛肉の関税は、冷蔵で現在の29・9%から将来は9%まで下がり、小売価格に影響を与えそうだ。

 ただTPP参加十一カ国の多くと日本は二国間の貿易協定を結んでおり、関税が既に削減済みの項目も多い。このため「TPP発効に伴う関税削減のメリットは限定的」との意見もある。

◇検疫所の体制

 輸入食品が増えれば、遺伝子組み換え食品や、成長ホルモン剤を使った肉の流入なども拡大する恐れがある。こうした懸念について日本政府は「TPPによって食の安全に関連する国内の制度が変更されることはない」と強調。現行の制度で安全性は確保できるとの見解だ。

 しかし、検疫所の食品担当者は国内全体で約五百人程度で、奈良県立医科大の今村知明教授は「輸入量に対して人員が少なすぎる。体制を充実させるべきだ」と主張している。

◇発効の時期は

 参加国は今後、協定文を確定させた上で二〇一八年の前半までに署名を終え、各国が国内承認の手続きに移る。発効には過半数である六カ国の承認が条件で、手続きが完了してから六十日後に発効する。順調に進めば最短で一九年中の発効となるが、各国で手続きが滞れば後にずれることになる。

 

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