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【経済】

GDP成長、実感伴わず 7〜9月期 7期連続プラス

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 内閣府が十五日公表した七〜九月期の国内総生産(GDP、季節調整値)の速報値は物価の影響を除いた実質で前期比0・3%増、年率で1・4%増となり、七・四半期連続のプラス成長となった。これほど長期のプラス成長の継続は二〇〇一年一〜三月期までの「八・四半期連続」以来、十六年ぶりだ。最大の要因は輸出の拡大だが、肝心の国内消費は低迷したまま。多くの人は「生活が上向いている」という実感を持てない。 (白山泉)

 この成長が一年続くと仮定した「年率換算」の名目GDPは、過去最高の五百四十六兆円。政府が掲げる「六百兆円」の目標が近づいてきた。茂木敏充経済再生担当相は記者会見で「雇用・所得環境の改善が続く中、景気は緩やかに回復していくことが期待される」と話した。

 成長を引っ張ったのは1・5%増となった輸出だ。好景気が続く米国向けの自動車、中国へのスマートフォン部品の輸出が伸びた。一方でGDPの約六割を占める個人消費は外食や自動車の購入が減り、0・5%減と低迷した。

 個人消費が勢いづかず、国民が好景気を実感しにくいのは、賃金の停滞が要因だ。物価の影響を除いた九月の実質賃金は四カ月連続で前年同月を下回った。人手不足が深刻化する中で雇用者数こそ増えてはいるが、「増加分」は、団塊の世代の再雇用や中高年女性のパートが中心。パートや非正規雇用の賃金は上昇傾向にあっても、企業は正社員の賃上げには慎重だ。

 富士通総研の早川英男氏は「国内消費の増減には所得が多い正社員の賃金が影響する」と話す。安倍晋三首相は衆院選後、経済界に、来年の春闘で3%の賃上げを実行するよう要請した。

 だが業績は好調でも正社員の賃上げを躊躇(ちゅうちょ)する企業は多い。要因について、みずほ証券の末広徹氏は「好調な海外の経済に引きずられた成長がいつまで続くか分からない。高齢化も進む国内の経済活動が強くなる見通しもない」ことを指摘。国内経済の活性化と賃上げの実現には「人口減対策を着実に進め、企業が積極的に国内で投資できるような環境を整えることが重要だ」と話した。

 

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