東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 紙面から > 11月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【経済】

負担増の説明不十分 新税案 省庁権益になる恐れ

 森林環境税と観光促進税という二つの新税が実現すれば、国税としては一九九二年の地価税(九八年廃止)以来となる。使途の目的を絞った特定財源が長く新設されなかったのは、省庁や族議員の既得権益となり無駄につながるという批判があったためだ。 (桐山純平)

 かつて特定財源の象徴は、道路特定財源だった。揮発油(ガソリン)税などから集めた税収の使い道を、道路の建設や維持・管理に限定する財源だ。しかし、税収があるからという理由で、必要のない道路まで建設する無駄の温床となり、二〇〇九年、使途が自由な一般財源に変わった。

 今回の二つの新税は道路特定財源の歴史からみて、時代に逆行している。確かに新税浮上の背景には、国の予算のうち高齢化で毎年増え続ける社会保障費が三分の一以上を占め、新たな財源の確保が難しい点がある。だが、政府がほかの事業の予算を削って財源を捻出する努力なしに、納税者に新たな負担を強いるのでは理解を得られにくい。

 新税は、これから議論が本格化する与党の税制調査会で検討される。十月に投開票された衆院選の期間中、政府・与党からは聞こえがいい教育の無償化に比べ、こうした負担増の訴えは圧倒的に少なかった。森友・加計学園問題と同様に、政府・与党から「丁寧な説明」がなかったのは明らかだ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報