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【経済】

酪農・畜産強化 市場開拓を支援 日欧EPA、国内対策骨格

 政府は二十四日、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)発効に備えた国内対策の骨格を決めた。関税撤廃・引き下げで影響を被る酪農や畜産、林業の体質強化や経営安定を柱とし、欧州市場の開拓を目指す中小企業の支援にも取り組む。安倍晋三首相は関係閣僚に、農林水産業の強化策を中心とした予算措置を講じるよう指示した。

 環太平洋連携協定(TPP)十一カ国の閣僚が米国抜きの新協定に大筋合意したことも踏まえ、二〇一五年に策定したTPP関連政策大綱を改定してEPA対策を追加。実行に移す資金を確保するため、与党は一七年度補正予算案で三千億円規模の計上を目指す。

 安倍首相は総合対策本部の会合で「TPPと日欧EPAは成長戦略の切り札だ。そのメリットを最大限に生かし、経済成長を実現したい」と話した。

 対策費の補正予算を巡っては、米国のTPP離脱を受け圧縮を求める声も政府内にある。茂木敏充経済再生担当相は記者会見で「必要な予算が確保できているかが重要だ」と述べ、具体的な規模への言及は避けた。

 EPA対策は欧州産チーズの輸入増加を見据え、国産チーズと原料乳のコスト削減や高品質化を支援する。欧州の木材製品に対抗するため林道整備や加工施設の効率化を推進し畜産農家の機械化も後押しする。

 発効後の経営安定策は、牛・豚肉生産者の赤字補填(ほてん)割合を現行の八割から九割に拡充するのが柱。既にTPP対策として決まっていたが、日欧EPAが先に実施された場合にも適用する。

 斎藤健農相は「農林水産業を成長産業にするため、補正予算を含めてきっちり対応したい」とし、食品の輸出拡大にも意欲を示した。

 企業の欧州向け製品開発に日本貿易振興機構(ジェトロ)が協力する。日本の農産物輸出拡大に向け、欧州独自の参入規制の撤廃を働き掛けることも盛り込んだ。

<TPP関連政策大綱> TPP発効に備え、政府が実行する政策の骨格を示した文書。米国を含む12カ国がTPPに大筋合意した直後の2015年11月、国内農業の支援を主眼に策定され、その後の補正予算や当初予算編成時の指針となった。EUとのEPAの対策追加を反映し、正式名称は「総合的なTPP等関連政策大綱」としている。

 

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