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【経済】

緩和「出口」 高まる不安 日銀保有国債 利回り上半期最低

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 日銀が二十八日発表した二〇一七年度上半期(四〜九月)の決算によると、日銀が買った国債の価格に対するもうけを示す保有国債の平均利回りは0・277%となり、上半期では過去最低になった。四年半以上続けてきた金融緩和を終える「出口」の際には、日銀は巨額の損失を出すことが見込まれており、それをカバーする収入源の利回りの悪化に対して、金融市場の不安が高まっている。(渥美龍太)

 「国債利回りの低下も踏まえて財務の健全性確保を」

 森友学園への国有地売却問題で政府に疑義を突きつけた会計検査院は今月、日銀にもこう警鐘を鳴らした。税金無駄遣いのチェック機関が物申すのは利回りの低下が将来、国民の負担に直結しかねないからだ。

 金融緩和は、民間銀行から大量の国債を買って代わりにお金を渡し、世の中のカネ回りを良くしようとする政策だ。日銀は利回りが低い国債も機械的に買い続け、収入源が細った。

 「出口」で日銀が景気の過熱を抑える「金利の引き上げ」をすると、民間銀行から預かった預金に支払う利子が急増し、数兆円規模の損失を複数年にわたって出す可能性がある。保有国債からの収入でカバーできなければ、税金で穴埋めするケースがあり得る。

 年度ベースでみると、利回りは一六年度まで八年連続で低下した。日本総研の河村小百合氏によれば、既に「出口」に向かった米国は、国債などの買い増しを止めた後の一五年初めの段階で平均利回りは3%台を維持していた。これに比べると「日銀の方が状況は明らかに厳しい」という。

 日銀は一七年度上半期で、「出口」の損失に備えた引当金を二千二百七十九億円積んだが、十分とは言えない。河村氏は「『出口』では相当大きな損失が長期的に出る可能性がある。今の政策を続ければリスクはさらに高まる」と指摘している。

 

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