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【経済】

低レベル廃棄物 処分場どこに… 浜岡原発 廃炉行き詰まり懸念

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 中部電力(名古屋市)は二日、解体・廃炉作業が続いている浜岡原発1、2号機(静岡県御前崎市)の一部を報道陣に公開した。1、2号機が二〇〇九年に運転を終えてから八年が過ぎたが、解体・廃炉作業で出る低レベル放射性廃棄物を捨てる場所がいまだ見つかっていない。

 2号機の原子炉建屋内は週末のため作業員がほとんどおらず、静かだった。「あの中身はL3になります」。中部電力浜岡地域事務所の村松立也氏が、直径一メートルほどの赤茶色の配管設備を指さした。原子炉で熱せられた水を処理する「湿分分離器」だ。放射性物質が含まれる水蒸気を通していたため、低レベル放射性廃棄物に当たる。

 1、2号機の廃炉作業は〇九年十一月に開始。三六年度の完了を目指す四段階のうち、核燃料の搬出や建屋外の設備を解体する第一段階を昨年二月に終え、配管や排気筒など原子炉以外の建屋内の設備を解体する第二段階に移った。

 現在発生しているのは、放射性廃棄物ではない産業廃棄物や、放射能レベルが極めて微量で再利用も可能とされる機器や部品など。これらが廃炉で発生する約四十五万トンの廃棄物の96%を占める。残り4%が今後新たに発生する低レベル放射性廃棄物で、中電は約二万トンを見込んでいる。

 中電は当初、低レベル放射性廃棄物が初めて出る第二段階に入るまでに、処分場を決める計画だったが、いまだに決まっていない。そのため低レベル放射性廃棄物は暫定的に建屋内に保管することにしている。

 二三年度からは原子炉圧力容器や制御棒の処理を始める第三段階に入る計画で、L3より放射能レベルの高いL2、L1が出る。処分場が見つからなければ、廃炉作業が行き詰まりかねない。

 低レベルの処分場は電力会社が見つけなければならないが、浜岡原発を含め廃炉作業中の全国七原発九基では、行き場がほとんど決まっていない。 (伊藤弘喜)

<低レベル放射性廃棄物> 原発を解体する作業で出る放射性廃棄物で、濃度の高い順にL1〜L3に区分される。L1は制御棒など原子炉の中心に近い設備。L2は原子炉圧力容器などL1の周辺設備、廃液、作業に使った手袋など。L3は原子炉建屋のコンクリートや金属など。L2、3は専用の容器や袋に入れて埋設する。L1の処分法に関する国の規制基準は、まだ決まっていない。

 

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