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【経済】

ワインなど19年にも関税ゼロ 日欧EPA妥結

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 日本と欧州連合(EU)が八日に経済連携協定(EPA)の交渉を妥結したことで早ければ、二〇一九年からワインなどの欧州産品の関税が撤廃されたり引き下がる見通しとなった。消費者には恩恵となりそうだ。(矢野修平)

 日本とEUは、英国がEUを離脱する見込みの二〇一九年三月末までの発効を目指し手続きを加速させる。日本政府は来秋に国会審議にかけて国内承認の手続きに入る意向。欧州側も欧州議会と欧州理事会の承認手続きを進める。発効後は関税が、即時か段階的になくなる。日本の関税撤廃率は全品目の94%、農林水産物では82%に上り、消費者は食品中心に多くの商品の値下がりが期待できる。

 チョコレート菓子や革靴など、欧州にはブランド力のある産品が多く、日本国内でも人気が高い。販売価格は為替なども加味されるが、関税負担が減る分、値下げ余地が生まれる。

 「ボルドー」「ブルゴーニュ」などのワインは輸入価格の15%か一リットル当たり百二十五円のどちらか安い方で関税をかけており、発効時に撤廃される。七百五十ミリリットルのボトルワインで最大九十四円安くなり、低価格帯ほどお得感が高まる。

 「カマンベール」など欧州からの輸入が多いナチュラルチーズは、一定の数量を低い関税で輸入する特別枠を新設し、十五年かけて枠内の税率をゼロにする。現在は29・8%が課されており、無税枠で輸入したチーズは千円の場合、二百円以上値下げできる計算だ。

 通商問題に詳しいみずほ総合研究所の菅原淳一主席研究員は「先進国の多いEUとのEPAは、環太平洋連携協定(TPP)よりメリットが消費者には直接見えやすい」と話している。

 今回の交渉では関税の撤廃・削減など主要部分での合意を優先させ、意見が対立する投資に関する紛争処理の協議は棚上げした。切り離した項目は、EU加盟の各国ごとの承認が必要で手続きが長引く可能性もあった。今回の妥結項目は欧州議会と欧州理事会の承認のみで発効できる見込みだ。

 

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