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【経済】

東芝 収益力どう確保 半導体手放し主要事業低迷

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 東芝は十三日、半導体子会社「東芝メモリ」の売却を巡って対立していた米ウエスタン・デジタル(WD)と和解した。東芝メモリは米投資ファンドが主導する「日米韓連合」に二兆円で売却されることが固まり、東芝の経営再建は前進した形。しかし東芝に残された事業の収益力は高いとは言えず、円滑に再建が進むかは予断を許さない。(妹尾聡太)

 和解により両社は互いに訴訟を取り下げ、協業関係を続ける。東芝は半導体で世界トップクラスの韓国サムスン電子に追いつくためWDに和解を呼び掛けていた。WD側も東芝との関係が悪化して最新の半導体を調達できない状況になることを恐れたとみられる。

 東芝はすでにテレビ事業の売却やアニメ「サザエさん」のスポンサー降板などリストラを始めている。東芝メモリの売却後は、原発廃炉などを手掛けるエネルギー事業や、水道や道路のシステムなどを手掛けるインフラ事業を軸に再出発する。

 今後の収益見通しについて「利幅は少ないが安定的だ」(経済産業省幹部)との声も上がる。だが、二〇一七年九月中間連結決算では営業利益の八割超を東芝メモリが稼いだ。今後の軸となるエネルギー事業、インフラ事業ともに前年同期比で減収減益となり、エネルギー事業は四十億円の営業損失だった。

 販売先探しが難航している液化天然ガス(LNG)事業では、毎年百億円の損失を見込み、今後二十年間で損失が最大約一兆円に膨らむとの試算もある。稼げる体質に転換できなければ、株主から追加の事業撤退も迫られかねない。

 また、東芝メモリの売却に向けては、公平な競争が妨げられないか調べる各国の審査を通過しなければならない。東芝は来年三月末までの売却を目指すが、審査が長引いて再建計画に影響する可能性もある。

 東芝は昨年末に米国の原子力事業で巨額損失が発覚し、債務超過から脱するため今年一月に東芝メモリの売却を決めた。

 これに対し、四日市工場(三重県四日市市)を共同運営するWDが反発し、五月に国際仲裁裁判所に売却差し止めを求めた。東芝も六月に損害賠償を求めて東京地裁に提訴するなど対立していた。

 

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