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【経済】

歳出、過去最大97兆7128億円 膨らむ防衛費 18年度予算案 閣議決定

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 政府は二十二日、一般会計総額が過去最大となる九十七兆七千百二十八億円の二〇一八年度予算案を閣議決定した。高齢化の進展で社会保障費が約三十三兆円を占め、防衛費は北朝鮮への対応で過去最大となった。好調な企業業績を追い風に、税収はバブル期並みの水準を見込んだが、歳出膨張への危機感に欠け、依然として借金頼みの財政運営が続く。

 歳出総額は一七年度当初予算から二千五百八十一億円増えて、六年連続で過去最大を更新した。社会保障費が予算全体の33・7%となる三十二兆九千七百三十二億円となった。前年度からの伸びを約五千億円に抑えるため、薬の公定価格の引き下げや、生活保護費の削減などを進めた。

 一方で、医師や看護師の人件費に回る診療報酬の本体部分は0・55%引き上げた。

 また、政府の看板政策には手厚くし、「人づくり革命」では、保育所の整備や幼児教育の段階的無償化などを実施。「生産性革命」では、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)や東海環状自動車道の建設加速、中小企業の研究開発支援などを盛り込んだ。

 歳入では、税収を五十九兆七百九十億円と見込み、バブル末期の一九九一年度以来、二十七年ぶりの高水準となった。

 借金である新規国債発行額は三十三兆六千九百二十二億円。八年連続で減らしたものの、歳入に占める割合は34・5%と高止まりしたままだ。

 当初予算案と併せて、一七年度補正予算案を決定。ミサイル防衛の強化や、環太平洋連携協定(TPP)対策の土地改良などに総額二兆七千七十三億円を支出する。

 災害復旧や防災対策も加速し、財源として新たに一兆一千八百四十八億円の建設国債を発行する。

 政府は年明けの通常国会に予算案を提出し、三月末までの成立を目指す。

◆北対応などで5兆1911億円

 二〇一八年度予算案の防衛費は、前年度当初比1・3%増の五兆一千九百十一億円となり、六年連続増で四年連続して過去最高を更新した。政府は、北朝鮮の核・ミサイル開発や中国の海洋進出をにらみ、日本周辺の空海域の安全確保を重視したと説明している。夏の概算要求には盛り込まず、今月に追加要求した航空自衛隊の戦闘機に搭載する長距離巡航ミサイルの関連費二十二億円も、満額認められた。

 防衛費は概算要求額の99%に達し、防衛優先の編成方針は今回も顕著だ。膨張の原因は、弾道ミサイル防衛の強化や沖縄県・尖閣諸島などの離島防衛を理由に米国製を中心に高額の兵器を多く購入するためだ。

 今月、導入を閣議決定した地上配備型の弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の関連費は七億円、迎撃用の改良ミサイル「SM3ブロック2A」の取得費は四百四十億円に上る。

 離島防衛の関連では、十一月の日米首脳会談でトランプ大統領が、日本に購入を促したステルス戦闘機F35六機分の取得費が七百八十五億円となった。

 一七年度補正予算案は二千三百四十五億円で、イージス・アショアの情報取得費など、弾道ミサイル防衛の関連費が六百二十二億円を占めた。

 安倍内閣は一三年十二月の中期防衛力整備計画で、一八年度まで五年間の防衛予算の総額を二十三兆九千七百億円程度と定めた。防衛省によると、一八年度予算案を含めた五年間の総額は約二十五兆円だが、一三年当時の物価や為替で換算すると、目標総額の枠内に収まる見通しという。

 

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