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【経済】

会見せず「幕引き」か 東レ不正検証「おおむね妥当」

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 東レは二十七日、子会社「東レハイブリッドコード」(愛知県西尾市)のデータ改ざん問題に関し、外部の有識者委員会が検証した調査報告書を公表した。報告書は、公表が遅れるなどした一連の対応について「おおむね妥当だった」とする東レ側の言い分を追認する内容で、専門家からは「説明責任を果たすべきだ」などの批判も出ている。

 報告書は、改ざんが「法令違反に当たるものではない」と指摘し、インターネットの掲示板で不正を指摘されるまで改ざんを公表しなかったことについても「企業としての相当の理由があった」などと東レ側の対応を追認した。不正に関しても、二代にわたる品質保証室長だけが関わっていたとし組織的関与はない、との見方を示した。

 東レ相談役を務める経団連の榊原定征(さだゆき)会長は「アドバイスに真摯(しんし)に対応し、再発防止策を確実に実行することで、新たな品質保証体制を早期に構築してもらいたい」とのコメントを発表。一方で東レ広報担当者は報告書について「対応の妥当性を評価いただいた」との見解を示し、今後も「記者会見などでの説明は予定していない」と断言した。

 ただ東レは不正を二〇一六年七月に把握しながら、一七年十一月末まで一年以上も公表しなかった。さらに不正は〇八〜一六年までの長期間にわたった。この時期は、法令順守を経団連の会員企業に呼び掛けていた榊原氏が東レの社長と会長を務めていた時期と重なるだけに、報告書の公表だけで幕引きを図ろうとする姿勢に、専門家から疑問の声も上がっている。

 関西大の森岡孝二名誉教授(企業社会論)は「組織的ではないと言うが、長期の不正は企業の自浄能力が働かなかったということ。トップは知らなかったではすまされない」と指摘。その上で記者会見を開かないなど、情報公開に消極的な姿勢についても「経団連会長を出す企業なら、なおさら率先して説明責任を果たす必要がある」と批判した。 (木村留美)

 

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