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【経済】

三菱マテ系、改ざん指南書 前社長認識 90年代から不正

子会社の製品データ改ざん不正に関する調査報告記者会見で頭を下げる三菱マテリアルの竹内章社長(右から2人目)ら=28日午後、東京都千代田区で

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 三菱マテリアルは二十八日、二つの子会社による製品データ改ざん問題を検証した特別調査委員会の報告書を発表した。三菱電線工業(東京)に関する報告書では今年二月に村田博昭社長(当時、十二月一日に辞任)は、改ざんが行われている事実を把握しながらも「顧客からの損害賠償請求につながる」としてデータ改ざんと出荷を続ける経営判断を下していたことが明らかになり、悪質さが浮き彫りになった。三菱伸銅(東京)でも改ざんのやり方を説明するマニュアル(指南書)が存在し、両子会社とも改ざんが会社ぐるみで行われていた。

 三菱伸銅で過去に品質保証担当だった三人の役員は不正を黙認していた責任を取って三十一日付で辞任。堀和雅社長と岩野功副社長は報酬を一部返上。三菱電線は、村田氏がすでに辞任しているが、来年二月末をめどに調査委がまとめる最終報告を踏まえ関係者を処分する。

 親会社である三菱マテリアルの竹内章社長は二十八日、東京都内で記者会見し「深くおわび申し上げます」と謝罪した。同社も三菱電線の最終報告後、処分などを実施する方向だ。

 報告書によると、三菱電線の村田前社長は今年二月、データ改ざんを指南するマニュアルが存在するとの報告を受けた。しかし、出荷を継続。液体や気体が漏れないようにするシール材といわれるゴム製品では、現場から「改善に三年かかる」と伝えられたが、受注をストップせず、データ改ざんをして納入を続ける経営判断をしていた。

 シール材は、原子力発電所向けにも納入されており、原子力規制委員会は各電力会社に安全性の確認を指示している。

 不正は一九九〇年代から行われ、マニュアルも存在し、品質管理の責任者なども関与。三菱電線は組織的な不正だったことを認めている。

 三菱伸銅の最終報告書でも改ざんのマニュアルが九〇年代から引き継がれていたことを指摘。こちらは「競合他社と比べて後発」だったことからシェア拡大を目指す中で、顧客の要求に無理に応じようとしたことなどが原因だったと結論づけた。

 三菱電線の不正は昨年同社の社内監査で問題が見つかったことから、社内調査を実施し、今年二月時点でマニュアルの存在を確認。三菱伸銅では今年十月、神戸製鋼でのデータ改ざんが明らかになった後に実施した社内調査で不正が見つかった。三菱マテリアルは十月下旬には改ざんについての報告を受けていたが、十一月二十三日になって公表した。 (木村留美)

<三菱電線工業と三菱伸銅> 三菱電線は1917年設立。2017年3月期の単体売上高は295億円。光ファイバー部品や水漏れを防ぐシール材を手掛ける。従業員は約500人。三菱伸銅は1925年設立。売上高は1225億円で、銅の加工品を幅広い業種に出荷する。従業員は約1000人。両社は三菱マテリアルの完全子会社。

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