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【経済】

首相、3%賃上げ要請 ベア実施、今年も難色 経済界新年祝賀会

経済3団体の新年祝賀会であいさつする安倍首相(左端)。右から日本商工会議所の三村明夫会頭、経済同友会の小林喜光代表幹事、経団連の榊原会長=5日午後、東京都内のホテルで

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 経団連など経済三団体や、各業界団体の新年祝賀会が五日、都内で開かれた。政府が二〇一八年春闘で産業界に要請している「3%の賃上げ」について、一部の経営者から前向きな声が聞かれたものの、賞与など一時的な対応にとどめたいとの考えが大勢。基本給を底上げするベースアップ(ベア)を巡る交渉は今年も難航しそうだ。 (民間企業取材班)

 政府からの賃上げ要請は一八年春闘で五年目となる。祝賀会に駆けつけた安倍晋三首相は「経済の好循環を回していくために、今年は3%の賃上げをお願いしたい。これは異議はないのではないか」と述べ、あらためて経営者らに賃上げを迫った。経団連の榊原定征(さだゆき)会長も祝賀会終了後の記者会見で「社会的な期待を意識しながら、従来よりも踏み込んだ処遇改善を図っていきたい」と賃上げを呼び掛けた。

 これに対し、大和証券グループ本社の中田誠司社長は「月給と賞与で3%超になるよう検討している」と要請に応じる構えだ。みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長も「ベアや賞与など全体として対応する」と前向きに答えた。

 しかし、将来にわたって人件費の増加につながるベアに積極的な声はわずか。「一律のベアではなく成果に応じる」(日立製作所の東原敏昭社長)、「ベアはしない。業績連動型なので収益が上がれば賞与が上がる」(三井物産の安永竜夫社長)といった業績連動を強調する声が目立った。各社の春闘に影響を与えるトヨタ自動車の豊田章男社長は「私が賃上げをする、しないを決めるものではない。話し合いをしっかりする」と述べるにとどめた。

 過去最高益をうかがう企業が増加するなど業績は全体的に好調だが、先行き不安は根強い。アサヒグループホールディングスの小路(こうじ)明善社長は賃上げを予定しているとしながらも、「政府の要請には左右されない。企業が困ったときに国が助けてくれるわけではない」と話した。

 一方、昨年は日産自動車や神戸製鋼所など日本を代表する製造業での不正が相次いだだけに、経営者からは信頼回復への思いも聞かれた。新日鉄住金の進藤孝生社長は「品質管理を徹底し、愚直にやるほかに道はない」と話す。ホンダの八郷隆弘社長は「現場に行き、現物と現実を見ながら判断することが大切だ」との考えを示した。

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