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【経済】

英国牛、輸入解禁検討へ 月齢条件付き BSEで禁輸22年

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 政府が、牛海綿状脳症(BSE)対策として一九九六年から輸入を禁止している英国産牛肉について、月齢三十カ月以下などの条件付きで年内にも輸入を認める方向で検討に入ることが六日、分かった。厚生労働省は一月末にも内閣府の食品安全委員会から安全性を担保する内容の答申を受け、英国での加工場視察を経て判断する。英国は八六年に世界で初めてBSE感染牛が見つかった国で、年内に輸入が再開されれば二十二年ぶりとなる。

 BSEが原因で牛肉輸入が禁止された後、月齢などの条件付きも含めて再開されたのは米国やカナダなど十四カ国。英国産は世界で発症が確認された約十九万頭中約十八万頭を占めるが、最近は感染の確認はなく、英国政府が解禁を要請。日本政府は最新の研究成果なども踏まえ、輸入解禁へ踏み出す。

 英国産牛肉を巡っては、タンパク質の一種「異常プリオン」に汚染されたものを食べると、致死性の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病を発症することがあるとの指摘を受け、九六年に輸入が禁止された。

 食安委は、英国では二〇〇九年生まれの牛が一五年に検査で陽性とされたのを最後にBSE感染例が確認されていない点を重視。(1)異常プリオンを牛に経口投与しても発症まで四十カ月以上かかるとの研究成果を踏まえ、月齢三十カ月以下に限定(2)異常プリオンがたまりやすい脊髄など特定危険部位の除外−といった他国産と同様の条件を満たせば、食べても健康上の影響はないとの見解をまとめた。政府が輸入解禁を決定すれば検疫所宛てに改正通知を出すことになる。

 農林水産省などによると、日本が一六年度に輸入した牛肉は五十二万六千トン。52%がオーストラリアからで、39%の米国が続く。英国産牛肉は輸入禁止前の九五年、焼き肉用として北アイルランド産の胃袋約百六十トンや舌約十六トンなどが輸入されていた。

<牛海綿状脳症(BSE)> プリオンと呼ばれるタンパク質が異常化し、中枢神経などに蓄積、脳組織がスポンジ状となる牛の病気。潜伏期間は4〜6年で、運動失調などの症状を示し、治療法はない。感染牛の肉や骨を原料とする肉骨粉を飼料として与えたことで感染が拡大した。厚生労働省によると、1992年には世界で約3万7000頭の感染牛が確認されたが、肉骨粉の使用が禁止されると激減し、2004年以降は年間1000頭以下に。15年以降は、飼料が原因ではないとされる非定型BSEを含め年間4〜7頭で推移している。日本では01〜09年にかけ計36頭の感染が判明した。

 

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