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【経済】

仮想通貨取引 サポートで報酬 「採掘」静かなブーム 詐欺被害の恐れも 

「マイニング」のために組み合わされた部品の動作確認をするマイナー太郎さん=東京都内で

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 ビットコイン(BTC)など仮想通貨の取引を記録する作業に、個人がパソコンで参加するビジネスが注目を集めている。記録に必要な計算作業を早く行うと、その通貨が一定量もらえる仕組み。静かなブームとなる一方で、詐欺被害なども出ている。(渥美龍太)

 都内のビルに「ウィーン」と音が鳴り響く。並んだパソコンが二十四時間稼働、モニターに計算の結果を映し出す。「仮想通貨のイーサリアムを『掘って』いる」。設置したマイナー太郎さん(20)=ブログ上のニックネーム=が説明した。

 ネットで取引される仮想通貨は日銀のような管理者がおらず、世界中の人々が取引内容を記録、確認するのが特徴。記録のための計算に貢献した人に報酬として通貨が与えられるため、多くの人が自主的に参加する。鉱山で金などを掘る行為にちなみ「マイニング(採掘)」と呼ぶ。

 多くの通貨を得るには、計算の処理スピードが必要。太郎さんの改造パソコンは能力アップのため、グラフィックボードという半導体部品を六〜八枚組み込む。このパソコン五台を動かし続けると、一カ月にかかる電気代は六万円程度だ。昨夏には専門の会社を設立。八千枚ものグラフィックボードを使うことを計画しており、「電気代が安い地域で一日に数百万円分を掘りたい」と意気込む。

 最近、専用のパソコンを組み立てた都内に住む大学院生、柳谷昂希さん(25)の狙いは、日本発の仮想通貨「ビットゼニー」。「仮想通貨のシステムを支える作業に参加できるのが面白い」と笑う。

 個人でも資金力がある企業に対抗してマイニングができるのは、複数が協力して計算するネット上のグループに参加しているためだ。グループ全体で報酬を得ると、寄与度に応じて参加者に分配される。パソコン部品を扱うドスパラ秋葉原本店では「昨年夏に秋葉原全体でグラフィックボードが品薄になった」という。

 国際通貨研究所の志波和幸氏は「利益が電気代に見合わずに赤字に陥ったり、分配金がもらえない詐欺事件が起きたりもしている。法的な保護がなく参加する場合は自己責任になる」と解説している。

 <仮想通貨> インターネット上にあるお金で、日本円のお札や硬貨のように触ることはできない。最も使われている代表的な仮想通貨がビットコイン。世界中の企業・個人が取引の内容を確認する仕組みを設けることで、日銀のような管理者がいなくても信用を確保できるようにした。代金の支払いなどお金としての利用はあまり広がっておらず、保有目的のほとんどは投資。ビットコインの価格は昨年1年間で約20倍の値上がりをした一方で、各国での規制が報じられるたびに急落するなど乱高下が続いている。

 

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