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【経済】

賃上げ、働き方 両立探る

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 今春闘では政府が3%以上の賃上げを迫っているだけに、企業側がどう応えるかが注目される。一方、労働組合側からは労働時間の短縮など働き方に関する要望が相次ぐ見通し。労使交渉では、二つの課題を両立させる筋道を探ることになる。(春闘取材班)

 「今年は例年になく非常に重要な年だ」。二十三日の労使会談の冒頭あいさつで経団連の榊原定征会長は、賃上げと「働き方改革」の重要性を訴えた。経営側を代表する経団連がここまで強く会員企業に求めるのは、政府からの要望があるからだ。安倍政権の3%へのこだわりは、アベノミクスが五年を過ぎても賃金の伸びが弱く、国民が「成果」を実感できないことへの焦りともとれる。

 太陽生命保険が営業職員の基本給部分の4%引き上げを打ち出すなど、一部企業では要望に応える気配もある。だが、3%の賃上げは容易ではない。官製春闘と呼ばれるようになった二〇一四年以降でも賃上げ率は2%台で推移している。

 「ベアではなく、賞与で報いたい」(J・フロントリテイリングの山本良一社長)や「これまでのベアで総人件費は上がっている。3%は厳しい」(パナソニックの長栄周作会長)とけん制する声が相次ぐ。

 中小企業はさらに厳しい。賃金制度に詳しい日本総研の山田久氏は「中小企業は人手不足の防衛策として賃上げしている会社と、それすらできないところに分かれているのが実情。大企業との格差は大きいままだ」と解説する。

 一方、今春闘で新たな論点として浮上しているのが、残業時間の上限規制だ。政府が今国会で働き方改革関連法案を提出し、時間外労働(残業)の法定化などを目指すのに先んじて、自動車総連は時間外労働の上限を「月八十時間、年七百二十時間以内」とすることを要求。流通やサービスなどの労働組合が加盟する「UAゼンセン」も深夜勤務(午後十時〜翌午前六時)を「原則三連続日」までとする要求を盛り込む。

 だが、残業や時間外の勤務時間が減少すれば、残業代などを含む労働者の所得も目減りする。賃上げが実現しても残業減で相殺される恐れがあり、労使交渉は難航が予想される。

 

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