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【経済】

軽介護、運営難100自治体 人手不足、大手撤退相次ぎ

 市区町村が手掛ける軽度者向け介護サービスが、約百の自治体で運営難になっていることが二十七日、共同通信の調べで分かった。地元介護事業者のスタッフ不足に加え、これまで請け負ってきた大手の撤退が追い打ちをかけ、訪問介護の回数が減るなどの影響が出ている。厚生労働省はサービスの低下を懸念し、実態把握に乗り出した。

 七段階ある要介護度のうち、軽度の「要支援1、2」を対象にした訪問介護と通所介護(デイサービス)は国の介護保険制度から移行し、昨年四月までに市区町村の事業となった。自治体では、住民同士が助け合うボランティアの仕組みをつくる一方、入浴の手助けや身体機能の回復訓練といったサービスのほか、認知症の利用者のケアには専門事業者の確保が不可欠になっている。サービスの種類によっては自治体の財政事情で報酬が移行前より安く、撤退が相次ぐ要因になっている。

 共同通信は昨年六〜九月、全国自治体に軽度介護サービスについてアンケートしたところ約三百自治体が担い手不足などで運営に不安を感じていると回答。昨年末から年明けにかけて個別に取材した結果、百九の自治体で業者を十分確保できていないと答えた。

 このうち七十五の自治体は地元事業者の人手不足などと大手の撤退、二十四の自治体は大手の撤退だけを理由に挙げた。報酬の安さを補うため、国からの支援を受けて移行前と同じ水準にするサービスも設けたが、効果は乏しいという。「大手と地元事業者の撤退で四月から完全に人が足りなくなる」(山形県のある市)との回答もあった。

 介護最大手のニチイ学館(東京)は展開する全国約千四百の介護拠点のうち、約三百四十カ所で請負をやめた。「人材が足りない中、重度の介護保険サービスに経営をシフトする」とし、さらに撤退も検討する。セントケア・ホールディング(同)も一部拠点の撤退を始めた。

 

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