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【経済】

ソニー社長に吉田氏 平井氏は会長 好業績を機に刷新

記者会見で握手を交わすソニーの平井一夫社長兼CEO(左)と吉田憲一郎副社長兼CFO=2日午後、東京都港区で

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 ソニーは二日、吉田憲一郎副社長兼最高財務責任者=CFO=(58)が社長に昇格する人事を発表した。平井一夫社長兼最高経営責任者=CEO=(57)は代表権のない会長に就く。四月一日付。構造改革の効果で二〇一八年三月期連結決算の営業利益が二十年ぶりに最高益を更新する見通しとなったことから経営体制を刷新。策定中の中期経営計画で、競争力の強化を急ぐ。

 平井氏は東京都内で記者会見し、「新しい経営計画が始まるタイミングでバトンタッチすることが適切だ」と説明。「(好決算で)復活したと緊張感が緩むことが最大の課題だ」と語った。

 吉田氏は「グローバル企業として競争力を高めたい」と述べた。成長戦略については「守りと攻めのバランスを取って経営する」と指摘した。

 ソニーは同日、一八年三月期連結決算の業績予想を上方修正し、本業のもうけを示す営業利益を従来予想よりも九百億円多い七千二百億円に引き上げた。これまで過去最高だった一九九八年三月期を約二千億円上回る水準。半導体事業でコスト削減が進んだほか、音楽関連も堅調で二〇一七年四〜十二月期が大幅増益だったことを踏まえた。

<吉田 憲一郎氏(よしだ・けんいちろう)> 東大卒。83年ソニー。ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ)社長などを経て15年4月からソニー副社長兼CFO。熊本県出身。

◆20年ぶり最高益予想 復活なるか「理想工場」

 ソニーの社長が六年ぶりに交代する。会長に退く平井一夫氏の厳しいリストラには批判もあったが、本業のもうけを示す営業利益は二十年ぶりに過去最高を更新する見通し。ただ、ソニーの技術者にとって「理想工場」と言われた電機分野の復活は道半ばで、次の社長に就任する吉田憲一郎氏らの真価が問われる。

 「元気なソニーが戻ってきたと言われ、うれしい」。平井氏は二日、東京都内の本社で記者会見し、晴れやかな表情を見せた。音楽など娯楽分野からグループのトップに就いた二〇一二年当時、業績はどん底。一九九〇年代後半にはパソコン「VAIO(バイオ)」の事業を売却するなど、「聖域」に切り込んだ。

 浮上のきっかけがつかめず求心力が低下した平井氏を、ぶれずに支えたのが吉田氏と最高財務責任者(CFO)になる十時裕樹氏。吉田氏は財務などのプロとして知られる。十時氏はソニー銀行を設立した中心メンバーで、経営戦略の立案や新規事業の目利きに定評がある。

 現在の収益源は、家庭用ゲーム機「プレイステーション4」や、半導体、生命保険などの金融事業だ。一八年三月期の連結営業利益は七千二百億円を見込むが、このうち約七割をこれら三本柱で稼ぎだす。

 課題は、かつての「ウォークマン」のように新たな市場を切り開くヒット商品に恵まれていないことだ。平井氏は「『ワオ!』と感動してもらえる商品を出していく」と宣言し、新規事業創出部から五商品以上を世に出したが、期待を上回る結果には至らなかった。課題を引き継ぐ吉田氏は「ソニーの理念や責務は変わらない」と述べ、復活をやりとげる姿勢を強調した。

 

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