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【経済】

GDP8期連続増 10〜12月期 バブル以来28年ぶり

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 内閣府が十四日発表した二〇一七年十〜十二月期の国内総生産(GDP、季節調整値)速報値は、物価変動を除いた実質で0・1%増、このペースが一年続くと仮定した年率換算は0・5%増となった。GDPの六割近くを占める個人消費が持ち直したため。プラス成長は八・四半期連続で、バブル期(一九八六年四〜六月期から八九年一〜三月期)の十二・四半期連続で成長して以来、二十八年ぶりの長さとなった。

 ただし、成長率は前期(一七年七〜九月期)の年率2・2%に比べ鈍った。また、景気実感に近いとされる名目GDPは前期比0・03%減、年率換算では0・1%減と五・四半期ぶりのマイナスとなった。

 実質GDPの項目別では、前期は天候不順で不調だった個人消費が0・5%増と二・四半期ぶりにプラスに転じ、中でも自動車や携帯電話の販売が好調だった。企業の設備投資も0・7%の伸びだった。人手不足への対応で省力化の投資が増えたとみられる。

 一方、民間住宅の販売は2・7%減と二・四半期連続で大きく落ち込んだ。一六年十月に成立した政府の経済対策の効果が縮小したため、公共投資も0・5%減と二期連続のマイナスとなった。

 併せて発表された一七年の実質GDPは前年比1・6%増と六年連続のプラス成長だった。

◆家計に実感伴わず

 内閣府が十四日公表した二〇一七年十〜十二月期GDPは、二十八年ぶりとなる八・四半期連続のプラス成長となった。企業の設備投資が堅調だったことに加え、前期の反動から個人消費が二期ぶりに増加したことが押し上げた。世界的な経済成長を追い風に企業収益も過去最高を更新しているが、この果実はいまだ家計に行き届かず、実感を伴わない。

 今回、個人消費をけん引したのは自動車と新機種が発売されたスマートフォンの販売増だった。ただ、自動車は前期に無資格検査問題で販売が落ち込んだ反動とみられるだけに本格的な消費の回復とは言い難い。家計の節約志向は根強いのが実態だ。

 消費が伸びない背景には、労働者に支払われる賃金は緩やかに増えているものの、年金保険料の引き上げや消費税などの増税が続き、自由に使える「可処分所得」が増えないことがある。安倍政権が金融緩和、公共事業、規制緩和の「三本の矢」を掲げてから約五年になるが、個人消費は鈍いままだ。

 三本の矢が不発に終わりそうな今、アベノミクスの成否は企業の賃上げにかかっており、政府は経済界に賃上げを促す「官製春闘」の色を一段と強めた。しかし、ここに来て米国発の株価下落や円高など世界経済に変調の兆しも見られる。来年には消費税増税が予定される中で、家計にとっても実感を伴った景気回復を実現できるのか。今春闘での企業の賃上げが鍵を握る。

  (白山泉)

 

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