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【経済】

伸びぬ実質賃金 消費停滞 GDP8期連続増加だが…

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 内閣府が十四日発表した二〇一七年十〜十二月期の国内総生産(GDP、季節調整値)速報値は、物価変動を除いた実質で前期比0・1%増、このペースが一年続くと仮定した年率換算で0・5%増だった。プラス成長は八・四半期連続だが、消費の勢いは弱いまま。力強い成長には所得の増加が不可欠だが、年明け以降の円高や株価下落は企業業績や春闘に影を落とす。

 プラス成長の長さは、バブル期(一九八六年四〜六月期から八九年一〜三月期)に十二・四半期連続を記録して以来、約二十八年ぶり。

 世界経済の好調に引っ張られて企業の設備投資は0・7%増。GDPの約六割を占める個人消費は、自動車やスマートフォンの新機種の販売が好調だったこともあり、0・5%増と二・四半期ぶりに増加に転じた。しかし、個人消費は昨年秋の天候不順で落ち込んだ前期の反動が含まれ、力強さを欠いている。

 茂木敏充経済再生担当相は十四日の記者会見で「政策効果もあって雇用・所得環境の改善が続く」と述べたが、実質的な賃金の水準を示す指標は前期比で0・4%減だった。みずほ証券の末広徹氏は「ガソリン代などのエネルギー価格につられて物価が上がっているが、賃金が追いついていない」と指摘。賃金低迷が消費を停滞させている。

 年金給付の抑制や社会保険料の引き上げにより、収入のうち自由に使える「可処分所得」が増えていないことも消費に影響する。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎氏は「超低金利が長引いて利子所得が低迷しているため、賃金以外に家計を潤す要因がない」と指摘する。

 金融緩和頼みだったアベノミクスが限界を迎え、「官製春闘」の色を一段と強める安倍政権。しかし、米国発の株価下落や円高など金融市場の混乱が長引けば、賃上げには悪影響だ。斎藤氏は「春闘で企業が慎重な回答をすれば、消費の停滞が長引くことになる」と懸念を示している。 (桐山純平、白山泉)

 

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