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【経済】

フリーランス 独禁法で守る 公取委有識者会議が報告書

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 IT技術者やデザイナーなど個人で「フリーランス」として働く人の契約の在り方を話し合う公正取引委員会の有識者会議は十五日、発注企業による不当な要求から個人を保護することを柱とする報告書を公表した。働き方の多様化で、フリーランスは会社員などの副業も含めて一千万人超に上ると推計される。無理な条件を押しつけた場合は独占禁止法違反に当たるとする初の判断を示し、保護強化へ契約慣行の見直しを迫る。

 従来の労働法では保護されない個人が増えており、報告書を事実上の指針と位置付けた。人材不足が深刻化する中、これらの問題を公正な人材獲得競争をゆがめる行為とみなし、独禁法で監視する。まずは関係業界に違反がないか自己点検を促す方針だ。

 フリーランスにはプログラマーや翻訳家のほか芸能人やスポーツ選手、個別に仕事を請け負って店頭での接客や建設作業を行う人なども含まれる。企業と雇用関係にない個人事業者として扱われ、労働基準法など労働法の対象とならず、働く環境が不安定だと問題になっていた。

 公取委が実施したアンケートでもフリーランスの約六割が発注者との関係で不利益を被った経験があると回答した。

 報告書は、報酬の支払い遅れや一方的な減額に加え、発注した製品の受け取り拒否など不正な慣行を問題視した。複数の発注者による報酬の統一や、あいまいな秘密保持義務を課すことで、ほかの発注者と取引できないようにすることも違反の恐れがあるとした。

 スポーツや芸能界では、チーム同士が選手の引き抜きをしないとの申し合わせや芸能事務所が契約改定の協議に応じないことは違反となり得る。ただ芸能事務所やチーム側には育成にかかった投資を回収する必要もあり、酌むべき事情がある場合には総合的に考慮するとした。

 公取委の山本大輔経済調査室長は十五日、記者会見し「人材を巡る社会問題解決の第一ステップだ。労働法など諸規制の対応も期待したい」と述べた。

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