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【経済】

春闘2018 政権賃上げ目標、かけ声倒れか 満額でも3%届かず

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 自動車や電機など大手企業の労働組合が春闘の要求書を会社側に提出し、労使交渉が本格化した。安倍政権は「3%」と、これまで以上に踏み込んだ賃上げを経済界に求めているが、主な労組のベースアップ(ベア)要求は前年と同額になった。月収ベースでは満額回答でも3%に届かない企業が相次いでおり、政権の数値目標は早くもかけ声倒れになる懸念が強まっている。 (春闘取材班)

 春闘の相場をけん引するトヨタ自動車の労組は十四日、月額三千円のベアを求める要求書を会社側に提出した。月額三千円は昨年の要求額と同じ。基本給を底上げするベアと定期昇給を合わせた月収ベースでの賃上げ率は、会社側が満額回答しても2・87%にとどまり、3%には届かない。同じく三千円を要求する日立製作所も満額回答でも2・7〜2・8%程度という。

 企業の業績は好調で、先日発表された自動車メーカーの一七年四〜十二月期決算では、過去最高になる企業が相次いだ。だが、日産自動車やホンダなど自動車各社の労組も、足並みをそろえ前年に続く月額三千円の要求にとどまる。十五日に要求書を提出した電機メーカーでも、比較的業績が好調な日立やパナソニックの労組が月額三千円と、昨年と同額を要求した。

 前年並みの要求にとどめた理由を、自動車総連の高倉明会長は「業績は堅調だが、自動運転など自動車業界は百年に一度の大きな転換点にある」と述べ、人件費増を嫌う会社側への配慮をにじませる。電機連合の神保政史書記長は「同じ三千円の要求でも、(ここ数年間で累積したベアの)上積みになるため昨年とは価値が違う」と説明し、控えめの要求ではないとする。

 組合側の要求が弱いものとなった理由を、日本総研の山田久氏は「各企業の労組は会社側と協調路線が強い。自動車は当面の業績は良いものの先行きに不透明感があるうえ、電機は体力が落ちていることが影響した」と解説。「生保や証券など経営側が賃上げに前向きな業界もあるが、全体で見れば要求が満額回答だったとしても3%には届かない水準だ」としており、「3%の賃上げ」達成は要求段階でつまずいた格好だ。

 

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