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【経済】

春闘2018 電機交渉本格化、労使に聞く

 給与や待遇、職場環境の改善などについて労使が話し合う2018年春闘が本格化している。特に大手電機メーカーの交渉は国内の企業の賃金動向に大きな影響を与えるため、注目度が高い。電機メーカーの各労働組合でつくる電機連合の野中孝泰(たかひろ)中央執行委員長と、日立製作所で人事や労務を担当する中畑英信執行役常務に交渉に対する考え方などを聞いた。 (妹尾聡太)

◆電機連合・野中孝泰委員長 経営苦しくても月給増を

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 電機連合の野中氏は「働く人自身の時間が削られる。それは大変なことだ」と話し、長時間労働の是正の重要性を強調。さらに病気の治療や介護、子育てなどと仕事の両立に注力する必要性も訴えた。

 一方、最近は残業の減少で、残業手当を含めた収入減への不安も指摘されている。

 これについては「生産性を上げ、仕事がレベルアップした結果なのだから月給で評価するべきだ」と主張し、基本給を底上げするベースアップ(ベア)を迫る考えを示した。

 電機大手の労組は今春闘で三千円のベアを要求している。だが経営側は過去四年で計七千五百円のベアに踏み切った点を指摘しており、野中氏は厳しい交渉を予想する。さらに「電機業界は国際経済に依存するところが大きい」とも述べ、最近の経済動向に不安感も示した。

 それでも野中氏は「月給増は社会の要請。(会社側は)経営が苦しくても上げないといけない。業績の好不調は一時金に反映させればいいが、生活不安の解消には、月給をもとに生活設計ができることが重要だ」と訴えた。

◆日立製作所・中畑英信執行役常務 働き方と賃金を一体的に

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 日立の中畑氏は「賃金や賞与だけでなく、総合的に考えないと多様な人材を支援できない」と述べ、子育て支援や在宅勤務の拡充など、働く環境の改善と、金銭的な報酬を一体的に捉える考えを強調した。

 働き方については「介護と仕事をどう両立するかが大きな課題だ」と指摘。さらに「五年後や十年後を考えると、今(社員が)持っている技能では生き残れない可能性がある」と危機感を示し、社員の「学び直し」に人件費を割り当てる意向を示した。

 賃上げに関しては「企業もデフレ脱却に責任を持つべきだ」と前向きな一方で「基本は(賞与などを含む)年収ベース」と話し、基本給を底上げするベースアップ(ベア)を重視する労組側とは一線を画した。ベアは固定的な人件費の増加を意味し、業績が悪化しても削減できないためだ。

 さらに中畑氏は、最近の世界経済の情勢についても触れ、「先進国は底堅くみえるが(先行きは)不確実だ。直近では円高が進んでいる」などと景気後退の可能性に言及。ベアについて「慎重に考えないといけない」と話した。

 

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