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【経済】

EU、対米報復関税検討 米「鉄鋼制限、全ての国対象」

 【ロンドン、ワシントン=共同】トランプ米大統領が鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を発動する方針を表明したことを受け、欧州連合(EU)は実際に発動された場合、米国からの二十八億ユーロ(約三千六百五十億円)相当の輸入品に25%の報復関税を適用する検討を始めた。ロイター通信が二日、報じた。複数の関係者の話としている。 

 米国の輸入制限は来週、正式決定される見込みで、貿易摩擦が激化するのは必至となった。

 EUが米からの輸入品に報復関税を適用する場合、二輪車やバーボン、ジーパンなどの品目が対象になる可能性があるという。EUが日本を含む他国と世界貿易機関(WTO)に一斉に提訴する戦術も想定される。また、米国の措置による鉄鋼などの流入急増を防ぐため、緊急輸入制限を実施する可能性もある。

 輸入制限の主な標的とされる中国は、他国を経由し大量の鉄鋼やアルミを米国に輸出しているとみられる。トランプ政権は全ての国を輸入制限の対象とすれば、中国の迂回(うかい)輸出にも対抗できるとみているようだ。

 中国は過剰生産した鉄鋼を安価な値段で輸出。日欧は米国と協調し中国に対する措置を協議していただけに、トランプ政権の一方的輸入制限は日米欧の協力関係を阻害するだけでなく、逆に米国の孤立を招く。

 トランプ氏は国内産業の保護を目的に鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を課す方針を表明。WTOが安全保障を理由とした輸入制限を例外として認めていることを根拠の一つにしているが、WTOのアゼベド事務局長は二日、米国の輸入制限に「明確な懸念を持っている」と指摘した。

◆トランプ氏「貿易戦争いいこと」

 【ワシントン=石川智規】トランプ米大統領が表明した鉄鋼・アルミ製品の輸入制限について、ロス商務長官は二日、米CNBCテレビのインタビューで、「大統領は昨日、全ての国に関税を課すとの幅広い概念を示した」と指摘。中国など特定国だけでなく、日本など同盟国も対象となる可能性を示唆した。

 トランプ氏は二日のツイッターで、「米国が貿易で何十億ドルも損をしている時、貿易戦争はいいことだ。簡単に勝てる」と書き込んだ。

 ロス氏は、特定の国の一部製品に反ダンピング(不当廉売)関税などを課す従来の手法では「世界的な過剰生産は解決できない」との持論を展開。「幅広い関税を課す必要がある」と繰り返した。

 米国の輸入制限をめぐっては、中国や欧州連合(EU)などからの反発に加え、米国内でも缶などの製品価格が上昇すると懸念する声が強い。これに対しロス氏は、関税引き上げの影響は「大したことはない。過剰反応だ」と一蹴した。

 

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