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【経済】

コインチェック 来週にも補償開始 金融庁が悪質2社に停止命令

記者会見するコインチェックの和田晃一良社長。奥は大塚雄介取締役=8日午後、東京都千代田区で

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 一月に仮想通貨の巨額流出が発覚した交換業者のコインチェック(東京)は八日、来週中をめどに顧客への補償を始めると発表した。抜本的な経営体制の見直しが必要だとして同日に金融庁から二度目の業務改善命令を受けたが、仮想通貨の売買などのサービスも来週から順次再開する。

 流出したのは仮想通貨「NEM(ネム)」五百八十億円分。その後の値下がりを考慮して四百六十億円超を返す。流出の原因は、外部から同社従業員のパソコンにメールが送られてマルウエア(悪意あるプログラム)に感染、社内のネットワークにアクセスされて不正送金されたという。

 会見した和田晃一良(こういちろう)社長は引責辞任の考えについて「そこも含めて検討する」と話した。事業は続ける。

 この日はコインチェックを含めて仮想通貨交換業者七社が、一斉に業務改善命令を受けた。社員の私的流用が見つかったビットステーション(名古屋市)など悪質な二社は、一カ月間の業務停止命令も受けた。

 コインチェックと同じく、登録申請中のまま営業していた「みなし業者」十六社のうち、ビットステーションや来夢(らいむ)(三重県鈴鹿市)など三社は、登録申請の取り下げを申し出ている。

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◆信用失墜の危機 顧客保護置き去り

 コインチェックの巨額流出事件に端を発した仮想通貨交換業者の不祥事は、七社が一斉に行政処分を受ける事態に発展した。一時は価格が異常な急騰を続けた「バブル」の中で、金融庁の「お墨付き」を得たはずの登録業者でもずさんな管理が発覚。仮想通貨は成長分野として期待されてきたが、今や業界の信頼が失墜しかねない岐路に立たされている。

 「人員の採用がうまくいかなかった」。八日に記者会見したコインチェックの和田晃一良(こういちろう)社長は、リスク管理の人材不足が流出につながったことを認めた。仮想通貨は昨年後半から急騰し、顧客保護を置き去りにしてもビジネスチャンスに乗ろうとした前のめりな姿勢がうかがえる。

 二回目の業務改善命令で経営体制の抜本的な見直しを求められているのに、来週中には業務を順次再開することも明言した。

 巨額流出が起きたのは、コインチェックが登録申請中のみなし業者のためとの見方もあった。しかし今回処分を受けた七社の中には、金融庁の審査に合格した登録業者も二社含まれる。「仮想通貨の将来性に期待するあまり、規制が緩かった」(アナリスト)との見方が強まっており、金融庁は登録の審査を強化していく方針だ。

 仮想通貨に詳しい京都大の岩下直行教授は「法律での規制強化も選択肢としてはあり得るが、時間がかかる。当面は業界団体が自主規制を進めるのが先決だ。大金を預かる事業者として当然の体制を整えられなければ、利用者に見捨てられる」と指摘する。 (渥美龍太)

 

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