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【経済】

「デフレ心理根付いた」 黒田日銀5年 物価2%未達成に

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 四月に再任予定の日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は九日、一期目最後の金融政策決定会合後の記者会見で、目標の物価上昇率2%が達成できなかった理由を「デフレ心理が根付いてしまった」と総括した。五年前、世の中に流すお金の量を二倍にする金融緩和策を導入したとき「今までと次元が違う」と胸を張ったのも今は昔。この「異次元」をはるかに上回る量を出しても効果は薄く、目標達成のめどがないまま二期目を迎える。 (渥美龍太)

 「2%の達成に必要な措置の全てだ」。五年前、黒田総裁は初の決定会合で緩和策を導入した後に強調していた。柱はお金の量に加えて、複数の株でつくる金融商品の上場投資信託(ETF)と長期国債の保有残高を二倍にすること。日銀は国債などを銀行から買って代金を渡すことで「量」を増やすため、保有残高も増える。

 五年間でみると、お金の量は三・五倍、国債は五倍近く、ETFは十倍を超えた。それでも最新の物価は0・9%上昇にとどまる。効果がみえないばかりか、黒田総裁は国会での所信聴取で、政府の借金に当たる国債の大量購入で財政を緩ませるなど、量の「増やし過ぎ」の弊害を批判された。

 こうした状況を背景に、この日の会見では「(今の目標の)二〇一九年度ごろに2%に達すれば(緩和を縮小する)出口の検討をする」とも説明。もはや現実に向き合わざるを得ない。

 ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏は「五年で緩和策の効果が限定的だと明らかになった。弊害に目配りしながら縮小の方向に向かうべきだ」と指摘している。

 

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