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【経済】

再生エネの世紀 日本、潮流に乗れず

 二十世紀は石油が社会を支える「石油の世紀」と呼ばれた。各国の計画を並べてみると今世紀は「再生可能エネルギーの世紀」となりそうだ。

 ドイツや米カリフォルニア州が二〇三〇年に発電量に占める再生エネを50%以上に引き上げる。中国も二〇年に35%、三〇年には50%にする計画。米調査会社ブルームバーグは四〇年には世界全体の66%を占めると予想、火力と逆転する。

 高いとされた再生エネ。だが、技術開発で太陽光パネルなど設備の価格が下がり、発電量も増えた。このため国際機関の調査では、太陽光で電気をつくるのに必要な費用は一七年時点で一キロワット時あたり十セント(一〇・五円)。七年で73%も下がり、火力を下回りつつある。

 温暖化防止で合意したパリ協定も再生エネへの移行に拍車をかけ、設備の大量生産で価格がさらに下がる循環が加速。福島第一原発の事故を受けた規制強化で原発の建設維持費が上がったことも、再生エネの拡大に一役買っている。

 しかし、日本は世界の潮流に乗り遅れている。再生エネの発電量は主要国で最低水準。将来の目標も、現時点の中国より低い。

 代わりに原発を柱の一つに据え、三〇年時点で必要な電力の二割をまかなう計画。大手電力は原発の再稼働に備えて送電線の枠を空けておくため、再生エネを受け入れたがらない。導入量は増えにくく、再生エネの価格も下がりにくい負の循環に陥っている。現在の太陽光の固定買い取り価格は二十一円以上。世界水準の二倍だ。

 政府は計画を変えない方針。だが、世界の現実に向き合わなければ、再生エネの価格の高止まりと原発関連費用の上昇という重いツケが国民に回ってくる。 (池尾伸一)

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