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【経済】

東電の返済 最長34年後 原発事故 貸付枠

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 福島第一原発事故の賠償費用などとして国が用意した無利子の貸付枠十三兆五千億円を東京電力が使い切った場合、全額回収には最長で二〇一七年度から三十四年後の五一年度までかかり、この間、国には最大で二千百八十二億円の利息負担が生じることが会計検査院の試算で分かった。実質的に国民の税金で賄われる。

 検査院は「金利が上がれば負担が増え、新たな資金調達が必要になる」などとした。東電の経営状態によっては返済がさらに長期化し、国民の負担が膨らむ恐れがある。

 貸し付けは原子力損害賠償・廃炉等支援機構に国債を交付し、現金化して東電に支払っている。賠償や除染の費用、中間貯蔵施設の整備に対応するため、国の貸付枠は一七年度予算で九兆円から拡大された。東電には昨年末までに約七兆五千五百億円が支払われた。

 検査院の試算は、機構が保有している東電株の売却益一株四百五十〜二千百円の四通り、東電の返済見通しを二通り想定し、これらを組み合わせた八パターンで実施した。回収時期は最短で三四年度、利息は最少で千三百十八億円だったという。

 十三兆五千億円のうち、除染費用の四兆円については機構が東電株を売却し、その利益を国庫に納める。だが、株価は低迷しており、売却益で賄うには株価が現状の三倍超の一株千五百円になる必要があるという。

 賠償、溶融核燃料(デブリ)の取り出しを含む廃炉関連作業や汚染水対策は長期間に及び、多額の資金が必要になる。検査院は東電に対して「収益力改善や財務体質強化に向け、コスト削減などが必要だ」と注文した。

 福島第一原発事故を巡り、国は東電への貸し付けのほか、廃炉・汚染水対策として一一〜一六年度に計二千二百四十二億円を支出。建屋周辺の土を凍らせ、建屋への地下水流入を防ぐ凍土遮水壁の整備費や多核種除去設備(ALPS)の事業費(計四百九十五億円)などが含まれる。

 

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