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【経済】

森友文書改ざん 公文書管理、第三者の目を 元財務官僚・小黒法政大教授に聞く

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 森友学園への国有地売却に関する決裁文書改ざんを巡り、二十七日に証人喚問に臨んだ佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官は、真相解明につながる発言をしなかった。元財務官僚の小黒一正法政大教授(公共経済学、写真)に、佐川氏の証言や再発防止策などについて聞いた。 (聞き手・白山泉)

 Q 証人喚問をどうみたか。

 A 佐川氏の発言からは、「自分や理財局内で責任を引き受けて官邸を守る」という相当の覚悟をもって証人喚問に挑んだことがうかがえた。改ざん目的などの核心部分は依然不明だが、首相や官邸の関与は明確に否定した。一方で、偽証罪に問われるリスクがある発言も一部にあった印象だ。例えば、財務省の担当者と調整していた首相夫人付きの谷(査恵子)さんは官邸のスタッフなので、官邸が関与していないと言い切れるのか。

 Q 政府を守ろうとしたのは、退職金が目当てか。

 A そもそも佐川氏は、(さらに重い処分を受ける可能性もあるため)退職金をもらえないと思っている可能性が高いのではないか。

 あくまで推測だが、財務省の元幹部として、長期政権を維持している官邸と財務省の間にある摩擦をなくそうとしたのかもしれないが、その真意は分からない。真相は財務省の調査結果や検察の捜査を待つ必要がある。

 Q 行政の信頼を再構築するには。

 A 公文書は国民が正しい情報を得て、民主主義的な判断を行うためのものだ。政治的に独立した組織が公文書管理をチェックできる仕組みを創設してはどうか。

 Q 官邸が幹部人事を握ったことで、官僚に忖度(そんたく)を促しているとの指摘もある。

 A 内閣人事局の創設により政治的なリーダーシップが強化された。一方、省庁の幹部が官邸の「イエスマン」の集まりになってしまった懸念も広がっている。政権中枢のちょっとした態度や発言が、現場の職員に影響している可能性は否定できない。外部の目を入れることで制御する仕組みも必要。

 英国では次官などトップ二百人の人事に対して有識者らによる選考委員会が検討を行っている。官と民の世界を行き来する回転ドアの仕組みもあり、官僚を辞めて他で働くことができる自由もある。

<おぐろ・かずまさ> 東京都出身、44歳。京大理学部卒。一橋大経済学研究科博士課程修了。97年大蔵省(現財務省)入省。大臣官房文書課法令審査官補、関税局監視課総括補佐、財務省財務総合政策研究所主任研究官などを経て、15年4月から現職。

 

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