東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 紙面から > 4月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【経済】

日銀短観「海外頼み」先行き不安

 日銀が発表した三月短観は、戦後二番目の長さとなっている景気の拡大局面に対し、経営者が不安を感じ始めている状況を示した。米国の保護主義政策が世界経済を失速させるとの見方が出ており、じわじわ進む円高と相まって「海外頼み」の日本経済の先行きへの不安感につながっている。 

 外国為替市場は世界経済に不安が高まるとき、円高が進む傾向にある。最近は一時、一年四カ月ぶりに一ドル=一〇四円台を記録した。企業の想定より円高で推移しており、輸出の採算を悪化させかねない。

 日本経済は海外の景気の良さと円安を背景に、輸出関連の大企業が景気を引っ張る構図が続いていた。しかし今春闘でも大企業の賃上げは、政府が経済界に要請した3%に届きそうもなく、人々に好景気の実感は乏しい。

 今後、政策で円高を防ごうにも日銀は既に精いっぱいの金融緩和をしており、もはや動くに動けない。北朝鮮情勢も予断を許さず、先行きの不確実な要素は増えるばかりだ。

 本来は好景気の間に成長戦略を進め、日本経済の底力を高めるべきだが、遅々として進んでいない。短観で経営者は企業規模を問わず先行きを厳しく見込んだ。「実感なき好景気」が、いつまでも続かないことを敏感に感じ取っている。 

  (渥美龍太)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報