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【経済】

東芝メモリ売却 中国独禁法審査遅れ 再申請、売却中止の可能性も

 東芝が半導体子会社「東芝メモリ」を売却しない可能性が浮上しました。五月二十八日の期限までに、中国当局による独占禁止法審査を通過しない恐れがあるためです。東芝は「引き続き早期売却を目指す」としつつ、審査の再申請や売却中止といった代替策を探っています。(妹尾聡太)

 Q なぜ中国の承認を待つのですか。

 A 東芝は米投資ファンドが主導する「日米韓連合」の企業に東芝メモリを売却し、約一兆円の売却益を元手に経営を立て直す方針です。ただ、そのためには、売却後の半導体企業が市場シェアの多くを占めたり、別の企業の新規参入を妨害したりすることがないと認められる必要があります。既に欧米など七つの国と地域で承認を得ていますが、昨年十二月に審査が始まった中国ではまだ承認されていません。

 Q 中国当局が売却を認めない理由は。

 A 一般的に中国の審査は長引きやすいことに加え、独禁法に詳しい矢吹公敏弁護士は「中国当局は、競争相手だった日韓の企業が協力し、中国の電子産業に悪影響を与えると懸念しているのではないか」と指摘しています。最近の米中貿易摩擦が影響しているとの声もあります。

 Q 承認されないとどうなるのですか。

 A 売却をやめるか審査を再申請することになります。東芝は窮地に陥った財務状況を改善するために東芝メモリの売却を決めたのですが、昨年十二月に六千億円の資金を調達できたため、今すぐ売る必要性は低くなりました。また東芝メモリは東芝の年間営業利益の九割を稼いでおり、株主の中から売却中止を求める意見も出ています。しかし、東芝メモリの事業は浮き沈みが激しく、年間数千億円の投資が必須。息の長いインフラ事業を柱とした今後の経営方針とは相いれない面があります。

 

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