東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 紙面から > 4月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【経済】

福田次官辞職 処分見送り セクハラ疑惑 退職金支払い留保

福田淳一財務次官

写真

 セクハラ疑惑を報じられた福田淳一財務次官の辞職について、政府は二十四日の閣議で承認した。同氏は同日付で財務省を退職した。野党側は女性記者へのセクハラの認定と福田氏の処分を求めていたが、現時点では見送った。財務省は顧問弁護士による事実解明に向けた調査を進める方針。森友改ざん問題で佐川宣寿前国税庁長官も先月辞任したばかりで、財務省は次官級三人のうち二人が不在という異例の事態に陥る。麻生太郎財務相は自身の進退については「考えていない」と続投を表明したが、財務相の監督責任を問う声が一段と強まるのは避けられない。 (白山泉)

 麻生財務相は閣議後会見で「事務方のトップが自身のセクハラ疑惑で辞任することになったことは、はなはだ遺憾だ」と述べた。

 財務省の次官が任期途中で退任するのは旧大蔵省時代の接待汚職事件の一九九八年以来二十年ぶり。矢野康治官房長が次官の職務を代行する。

 麻生氏はセクハラの事実があったかについては「本人が否定するなかで週刊誌の報道だけでセクハラ認定して処分を行うのはいかがなものか」として現時点での事実認定は困難との見方を示した。社員がセクハラ被害を受けていたことを公表したテレビ朝日の協力も求めて、調査を継続する方針だ。

 福田氏は「職責を果たすことが困難だ」として十八日に辞意を表明した。財務省は調査が終わるまで約五千三百万円の退職金の支払いは留保するとしている。調査で懲戒処分に相当すると判断された場合は退職金を減額することを本人も了解しているという。

 ただ、人事院のルール上は、辞任後に退職金を減額する制度は懲戒免職相当の悪質性がさかのぼって認定された場合に限られており、いったん辞職すると減額に法律的な根拠は乏しくなる。

閣議後の記者会見で質問に答える麻生財務相=24日午前、首相官邸で(小平哲章撮影)

写真

◆財務相「はめられたとの意見も」

 麻生太郎財務相は二十四日の閣議後会見で、セクハラ疑惑の調査に関して「(福田淳一氏が女性に)はめられて訴えられているのではないかとかいろいろ意見がありますから」として、被害女性に対する侮辱的な発言をした。財務省は被害を訴えたテレビ朝日の抗議を重く受け止めるとしたが、麻生氏の発言から問題の重大性を感じられなかった。

 麻生氏は会見の冒頭、福田氏への追加処分があることを示唆した。しかし、テレビ朝日の女性が被害を名乗り出ているにもかかわらず、現時点では事実認定できないとの従来の見解を崩さなかった。

 テレビ朝日は財務省に、徹底的な調査と早急な結果の公表を求めている。麻生氏は「テレビ朝日の話をきちんとうかがわないといけない」としながらも、その話を聞く前から「はめられて」という表現を使った形。その上で「本人(福田氏)の人権も考えて双方の話を聞かないといけない」とした。

 麻生氏の発言については同日開かれた野党六党による財務省への合同ヒアリングでも批判が相次いだ。

 立憲民主党の尾辻かな子氏は「セクハラ被害者への人権侵害だ」と非難。希望の党の山井和則氏は「被害女性を加害者扱いしている。根拠がないなら第二のセクハラだ」と指摘。議員らは財務省に麻生氏の発言の撤回と謝罪を求めた。

 今回のセクハラ調査では、財務省は顧問先の法律事務所に委託している。調査の公平性にも問題が指摘されているが麻生氏は「つきあいがあり信頼がある」と従来の主張を繰り返した。

 (桐山純平、矢野修平)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報