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【経済】

積水ハウスの責任追及 株主総会で詐欺被害に厳しい声

 積水ハウスは二十六日、大阪市のホテルで定時株主総会を開き、阿部俊則会長らの取締役再任を可決した。土地取引に絡む詐欺被害で約五十五億円の特別損失を計上した責任を巡り、経営陣が対立し和田勇会長(当時)が一月の取締役会で事実上解任されてから初の開催。株主からは経営責任を追及する厳しい声が相次いだ。

 同社は代表取締役の定年制導入など改革姿勢を打ち出し低下した企業イメージの回復を急ぐが、情報開示に消極的との批判は根強く、企業統治の改善は道半ばだ。

 総会には個人株主ら約千三百人が出席し、約二時間で終了した。冒頭に阿部会長が詐欺被害について陳謝したが、株主からは「責任が一つも取られていない」「株主をなめているのか」といった厳しい意見が相次いだ。投資家向けに議決権行使の助言を手掛ける米大手二社は、積水ハウスの情報開示の姿勢などを問題視し、阿部氏らの再任に反対を推奨していた。

◆株主「取引の説明不十分」

 「なぜ詐欺被害に遭ったのか。説明が不十分だ」。東京・西五反田の土地取引を巡り、地主に成り済ました「地面師」に六十三億円をだまし取られた積水ハウスの株主総会後、出席者らは一様に不満を漏らした。

 神戸市の男性(88)は「土地取引は誰がどう判断したのか。事実を言わないと、もやもやが残る」。大阪市の男性(80)は「被害の原因と分析を聞きたかったのに。年一回の株主との意見交換で丁寧な説明がないのは、経営のあり方として問題だ」と話した。

 総会は報道陣に非公開。同社広報部によると、株主からは被害を防げなかったことへの批判のほか、激励もあったという。

 同社は昨年四月、ニセ地主との間で土地購入契約を締結。その後、本物の地主側から「契約していない」との内容証明郵便が届くなど、詐欺の疑いを示す複数の情報を得ていたのに、代金支払いを二カ月前倒ししていた。

 同社は今年三月、「経緯概要」を公表。しかし、弁護士らでつくる「調査対策委員会」がまとめた報告書の全文は、捜査に影響があるなどとして明かしていない。この日の株主総会でも、経営陣は詳細には触れなかった。 (福岡範行)

 

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