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【経済】

富士フイルム、買収計画難航 ゼロックス大株主と対立激化

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 富士フイルムホールディングス(HD)による米事務機器大手ゼロックスの買収計画を巡り、買収に反対するゼロックス大株主と富士フイルムHD側の訴訟が激しさを増しています。何が問題になっているのでしょうか。 (妹尾聡太)

 Q 買収はどのような計画なのですか。

 A 富士フイルムHDは今年一月、傘下の富士ゼロックスと米国のゼロックスを経営統合させ、こうしてできた「新・富士ゼロックス」の株式の50・1%を七〜九月に取得すると発表しました。これがゼロックスの買収です。ゼロックスは欧米を中心に活動し、富士ゼロックスは日本やアジアに展開。これまで両社は協業関係を築いてきました。

 Q なぜ経営統合を目指すのでしょう。

 A 組織を一体化して合理化や人員削減を図り、世界の競争を生き残るためです。背景にはインターネットの発達で紙の需要が伸びず、主に先進国で複写機など従来の事業が厳しくなったことがあります。

 Q どうして訴訟が起こされたのですか。

 A 買収に際しては、金融機関からの借入金を使ってゼロックスと富士ゼロックスの株式を売買しながら、結果的に富士フイルムHDが無償でゼロックスを手に入れる手法が採られています。またその過程でゼロックスの資産を取り崩し、二十五億ドルの特別配当を株主に支払う予定です。

 この仕組みに怒ったのがゼロックスの一部の大株主。「ゼロックスを著しく過小評価している」「富士側にゼロックスを盗まれてはいけない」と主張し、買収の差し止めを求めて二月に提訴しました。買収が株主にとって不当かどうかが焦点になっています。

 Q 対立が解消する見込みはありますか。

 A ニューヨークの裁判所は四月二十七日、買収を差し止める仮処分を決定しました。しかし、富士フイルムHDとゼロックスはこれを不服として五月四日に上訴。「経営統合は、当社とゼロックス双方の株主にとって多大な利益をもたらす、最良の選択肢」と争う姿勢を鮮明にしており、現時点で収束は見えません。

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