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【経済】

米、イラン制裁 暮らしに影響 輸出減懸念 原油が急上昇

 米国がイラン制裁の再開を表明し、原油価格が上がっている。生活への背景と生活への影響を探った。 (渥美龍太、ワシントン・白石亘)

 Q なぜ原油価格が上がっているのですか。

 A 原油輸出国のイランで緊張が高まっているからです。イランは二〇一五年に核開発を制限する代わりに経済制裁を解除してもらうことで米欧など六カ国と合意、その後に原油の輸出を増やしていました。生産水準も制裁前までほぼ戻り、原油大国としての存在感が増していました。しかし、米国が再び制裁に乗り出すと表明し、イランの輸出が減る可能性が浮上しました。このため、将来受け渡しする原油を先に売買する「先物市場」での価格が上がっているのです。原油市場の特性としてこの価格はすぐに石油製品にも反映されるので、生活に影響が出てきます。

 Q 先物の価格はどのぐらい上がっている?

 A 指標となる米国産標準油種(WTI)は昨年半ば時点では一バレル=四〇ドル台だったのですが、直近は七〇ドル前後です。もともと石油輸出国機構(OPEC)やロシアが協調して生産を抑えていた上、世界経済が好調で需要が高まり、昨年後半から上昇していました。

 Q 見通しは。

 A 英仏独は核合意を維持すべきだとの姿勢ですが、トランプ大統領の動きは性急です。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至氏は「制裁手段が明らかになるにつれ価格を押し上げる材料になる」との見方で、一バレル=八〇ドル台に達することもあり得るとみています。

 Q 暮らしへの影響は。

 A 七日時点のレギュラーガソリン平均価格が約三年五カ月ぶりの高値になりました。電気・ガス代も原油価格がいずれ反映されるため、さらに物価が上がる可能性があります。経済が好転しての物価上昇は政府の目標ですが、賃上げの勢いが鈍いため、家計負担だけが重くなる「悪い物価上昇」に陥る恐れがあります。

 

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