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【経済】

新興国通貨、軒並み下落 米金利上昇で資金引き揚げ

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 【ワシントン=共同】アルゼンチンやトルコ、インドネシア、インドといった新興国の通貨が、ドルに対し軒並み大幅下落している。米金利上昇に加え、信用不安や原油価格の上昇など各国の事情による要因もあり、投資家が資金を新興国から引き揚げ米国に移す動きが強まっているためだ。

 アルゼンチンは通貨ペソが史上最安値の水準に下落。中央銀行が通貨下落を防ぐため政策金利を年40%に引き上げたが、さらに国際通貨基金(IMF)に支援要請する事態に追い込まれた。同国は二〇〇一年にデフォルト(債務不履行)に陥り国際経済に冷や水を浴びせただけに、当時を思い起こして信用不安を抱く向きもある。

 ロイター通信によると、トルコのリラは史上最安値を更新した。インドネシアのルピアは約二年半ぶりの安値をつけた。インドはルピーが昨年二月以来の安値水準となり、原油高がインフレ懸念をあおっている。

 米国は物価上昇率が連邦準備制度理事会(FRB)目標の2%に達し、利上げ加速観測が広がる。さらに国債発行の増大に伴う需給悪化の見方も重なり、債券市場で長期金利の指標となる十年債利回りが3%前後の高水準で推移している。

 日米欧の中央銀行は〇八年のリーマン・ショック後、景気後退の対応策として大規模な金融緩和に踏み切り、世界的に大量の資金が出回った。投資家は少しでも大きい利回りを得ようと新興国に積極的に投資した。だが、国際金融関係者は「米国の金利上昇で潮目が変わった。資金が新興国から米国に急激に逆流している」と指摘する。

 FRBのパウエル議長は今月八日、スイスでの講演で新興国通貨の状況について「米国の金融政策の役割はしばしば誇張される」と述べ、責任回避に躍起になった。新興国への配慮を求められ、政策運営の自由度が低下するのを避けたい意図が透けて見える。

 

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