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【経済】

GDP9期ぶりマイナス 1〜3月 実質年0.6%減、消費低調

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 内閣府が十六日発表した二〇一八年一〜三月期の国内総生産(GDP、季節調整値)速報値は、物価変動を除く実質で前期比0・2%減、このペースが一年続くと仮定した年率換算は0・6%減となった。マイナス成長に転じたのは、二〇一五年十〜十二月期以来の九・四半期(二年三カ月)ぶり。個人消費のほか、企業の設備投資や住宅販売が振るわなかった。

 景気実感に近いとされる名目GDPは0・4%減、年率換算では1・5%減と六・四半期ぶりのマイナスとなった。

 実質GDPの項目別では、GDPの六割近くを占める個人消費が微減となり、二・四半期ぶりにマイナスに転じた。自動車や携帯電話の販売が落ち込んだほか、野菜価格の高騰もマイナス要因となった。また、これまで人手不足への対応として、省力化の投資が増え続けていた企業の設備投資も0・1%減と六・四半期ぶりに落ち込んだ。

 民間住宅の販売も2・1%減となり、これで落ち込みは三・四半期連続となった。

 一方、輸出は0・6%増、輸入は0・3%増。国内景気の足踏みに対して、海外経済が好調なため輸出は増えているものの、輸出の伸びは前期(2・2%増)より鈍くなった。

◆生活実感、悪化の懸念

 内閣府が十六日公表した二〇一八年一〜三月期実質国内総生産(GDP)は、二年三カ月ぶりのマイナス成長に転じた。相変わらず個人消費に力がなく、輸出の勢いにも陰りが見られる。原油高や人手不足の影響でガソリン代や食品価格が上がり始めており、生活実感はこの先さらに悪化していく懸念がある。

 目立つのは国内需要の弱さだ。携帯電話や自動車、飲食サービスなどへの支出が減少。相続税対策で増加した貸家のほか、分譲住宅の建設も三期連続の落ち込みとなった。

 茂木敏充経済再生担当相は消費停滞の要因として「野菜価格の上昇といった一時的な要因やスマートフォンの反動減」を挙げた。先行きについては「雇用所得環境の改善が続いている。消費や設備投資を中心とした景気回復を見込んでいる」と楽観的だ。

 しかし、乳製品や納豆などの値上げは原材料高や人手不足が背景となっており、天候要因だけでは説明できない。さらに原油価格の上昇がガソリン代を押し上げ、特に地方の家計を圧迫し始めている。

 連合が十日に公表した一八年春闘の平均賃上げ率は2・09%で、政権が経済界に要望した「3%」には程遠い。政府・日銀が目指す「物価上昇」が進むほど生活実感が悪化するジレンマに陥りつつある。高い成長率を目指してきたアベノミクスだが、将来不安を解消するための処方箋が求められている。 (白山泉)

 

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