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【経済】

東芝メモリを売却確定 中国の独禁法審査通過

 東芝は十七日、半導体子会社「東芝メモリ」の売却について、独占禁止法の審査をしていた中国当局から承認を受けた、と発表した。六月一日に米ファンドが主導する企業連合へ売却する。東芝は約一兆円の売却益を経営再建に使う考えだが、稼ぎ頭だったメモリを失うことになり、復活への道のりは険しい。

 海外での原発建設コストが増大した影響で東芝は昨年、借金が資産を上回る債務超過に転落。その状態から脱するため、九月に米ファンドのベインキャピタルが主導する「日米韓連合」に、東芝メモリを二兆円で売る契約を結んだ。当初は今年三月までに売却を完了する予定だったが、売却の要件となる各国の独禁法審査のうち、中国だけは審査が遅れて売却できない状態に。今月二十八日が審査期限だった。

 ベインキャピタルの広報担当者によると、十七日に中国の現地スタッフが当局から承認を通知する書類を受け取ったという。

 今の東芝は稼ぐことが苦手な企業だ。二〇一八年三月期連結決算では、売上高三兆九千四百七十五億円に対し、本業のもうけを示す営業利益は六百四十億円。この水準はライバルの大企業に見劣りしている。一方で、手放す予定の東芝メモリを単独で見ると、同時期に東芝本体の七倍超となる約四千八百億円もの営業利益を上げていた。

 東芝は今後、水道施設やエレベーターといったインフラや、発電施設など息の長いメンテナンスを請け負える事業を中心に据えるが、半導体事業と比べると収益力は劣る。自社が得意とする技術や事業分野を集中的に育て、世界展開できるかが経営再建の鍵となる。 (妹尾聡太)

<東芝の半導体事業> 東芝の利益の大半を稼いでいる主力事業で、スマートフォンなどに使われる記憶媒体「フラッシュメモリー」が柱。世界で高い市場占有率を持つが、首位の韓国サムスン電子との競争は激化している。米原発事業の損失穴埋めのために売却が決まり、2017年4月に子会社「東芝メモリ」として分社化した。主力の三重県四日市市の工場のほか、岩手県北上市にも新工場を建設する計画。

 

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