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【経済】

勤務地限定 進む金融界 1年ごと選択 全社員エリア固定

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 遠隔地への転勤を含む人事異動が比較的多い金融業界で、転勤の在り方を見直す動きが広がっている。共働き世帯が増加。親の介護など生活の変化に合わせた柔軟な働き方が必要になり、転勤を望まない社員が増えているためだ。就職の際も、転勤の有無を企業選びの基準とする学生が増えている。 (木村留美)

 三菱UFJ銀行は二〇一九年四月から、総合職を対象に海外を含む転勤のある勤務か、地域限定での勤務かを年単位で選択できる制度の導入を目指し、労働組合と協議を進める。

 これまで三菱UFJ銀の総合職には、地域限定の総合職と全国転勤がある総合職の二つのコースがあり、賃金体系も違っていた。しかし今後はコースを一本化。「今は子どもが生まれたばかりなので転勤しない」など、生活の変化に応じて選べるようにする方針だ。

 一方、AIG損害保険は全社員約七千人について、転居を伴う人事異動を廃止する。今年七月に試験的に導入し、来年一月の本格導入を目指す。新制度では全国を十三のエリアに分け、異動は原則としてエリア内に限る。

 金融業界では、同じ仕事を続けることに伴う不正の発生を防ぐ観点から、数年ごとに転勤や異動が実施されるのが慣例。金融庁も監督指針で職員を同じ職場で長く働かせないよう求めてきた。だが近年、就職活動をする学生は転勤が多い企業を敬遠する傾向もある。独立行政法人の労働政策研究・研修機構(JILPT)による就活生らを対象にした調査では女性は八割超、男性は六割超が、地域限定の正社員を希望した。

 かつて就職先の花形だった銀行の人気は近年は下がっている。楽天の「一九年卒・就職人気企業ランキング」では、三菱UFJ銀が前年の九位から四十七位に転落するなど、メガバンクは軒並み低迷。マイナス金利の長期化に伴う経営環境の厳しさのほか、転勤が多い人事も足を引っ張っている可能性がある。

 雇用問題に詳しい大和総研の菅原佑香氏は「従来の転勤制度は、専業主婦の妻がいる男性社員を想定してつくられていたが、現在は女性も正社員で働く人が増え、転居を伴う転勤制度が成り立ちづらくなっている」と指摘する。

 

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