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【経済】

財務省、隠蔽手段使い分け 森友文書

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 財務省による学校法人「森友学園」への国有地の取引に関する文書の隠蔽(いんぺい)は、野党からの追及が激しさを増していた昨年二月以降の国会開会中に行われた。公文書は中身の重要度で保存義務の期間が異なっており、財務省は、まだ保存が必要な文書は改ざん、保存期限が切れたものは意図的に廃棄という形で隠蔽工作を使い分けていた。 (桐山純平)

 財務省が二十三日国会に提出したのは、大阪地検などの協力で復元した学園側との交渉記録(約九百五十ページ)と改ざん前の決裁文書(約三千ページ)、本省相談メモ(約三十ページ)の三点。いずれも、佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官(当時は理財局長)の国会答弁につじつまを合わせるために隠蔽されてきたという。ただ、その手段は文書の種類によって使い分けられた。

 森友への国有地売却や貸し付けなどを決めた際に財務省内で作成された決裁文書十四件は、改ざんによって安倍晋三首相夫人の昭恵氏や政治家秘書の名前などが消された。財務省はこれら決裁文書の保存期間を三〜三十年と定めており、期限前に廃棄すると、公文書管理法違反に問われかねない。このため改ざんで記載内容を変えたとみられる。

 また、決裁文書の参考資料として添付されている本省相談メモについては、その存在が分からないよう決裁文書を改ざんしていた。メモには、昭恵氏が学校建設予定地を訪問した際の記載もあった。

 一方、交渉記録は廃棄によって隠された。財務省は国有地取引の交渉記録の保存期間を「一年未満」と定めており、佐川氏は「売買契約の締結(二〇一六年六月)をもって、事案は終了した。記録は速やかに廃棄した」などと国会で説明してきた。交渉記録はまだ残っていたが、佐川氏の答弁に沿う形で廃棄されたというのが財務省の説明だ。

 交渉記録には、昭恵氏付きの政府職員が財務省に森友からの要望を問い合わせたときの状況など、決裁文書に比べて詳しい取引の経緯が記されている。森友問題を契機に重要文書が一年未満に廃棄される可能性があることが分かったため、今年四月からは、交渉記録であっても政策決定の検証に必要な政府の文書については、保存期間が「原則一年以上」に変更された。

 

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