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【経済】

カナダ・メキシコ報復関税 米鉄鋼輸入制限 EU、近く対抗措置

 【ワシントン=白石亘、ブリュッセル=阿部伸哉】カナダ、メキシコ両政府は三十一日、トランプ米政権が鉄鋼とアルミニウムの輸入を制限するのに対抗し、米国製品に高関税をかける方針を発表した。同じく標的となった欧州連合(EU)も強く反発しており、報復に動く公算が大きい。「報復の連鎖」が中国だけでなく、米国の親密な同盟国にも及び、貿易摩擦が広がりをみせている。

 カナダのトルドー首相は三十一日の記者会見で「全く受け入れられない」と反発。鉄鋼などの輸入増が米国の安全保障を脅かすとの名目での関税発動を「あり得ない」と切り捨てた。カナダ製の鉄鋼が米国の戦車に、アルミが航空機に使われている例を挙げ、「カナダは米国の防衛産業に安全に鉄とアルミを供給している」と反論した。

 カナダは即座に対抗措置を公表し、米国産の鉄鋼やヨーグルト、トイレットペーパーなど百六十六億カナダドル(約一兆四千億円)相当に25%か10%の追加関税を適用する。七月一日に発効し、米国が関税を撤回するまで続ける。国際貿易ルールに反するとして、世界貿易機関(WTO)に提訴する方針だ。

 メキシコ政府も三十一日、国際貿易をゆがめるとして、米国から輸入する豚肉やリンゴ、チーズなどに高関税をかけると発表した。関税の規模は米国の措置による影響額と同じにする。

 また、米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版によると、EUは六月一日に米国をWTOに提訴する方針という。

 トランプ政権は三十一日、これまで適用を除外してきたEUとカナダ、メキシコ製の鉄鋼とアルミに、それぞれ25%と10%の追加関税を一日から課すと発表した。「国内産業を保護するため、安全保障を言い訳に関税を使っている」(米通商専門家)との見方が強く、日本や中国にはすでに三月から適用されている。

◆米の鉄鋼輸入制限対象から除外要請 日米財務相会談

 【ウィスラー(カナダ)=共同】麻生太郎財務相は五月三十一日午後(日本時間六月一日午前)、訪問先のカナダ西部ウィスラーでムニューシン米財務長官と会談した。米鉄鋼輸入制限の対象から日本を恒久的に除外するよう要請。検討中の自動車輸入制限も自制を強く求めた。同行筋が明らかにした。他方、北朝鮮の核・ミサイル開発問題を巡っては連携し、経済的な「最大限の圧力」を加え続けることで一致した。

 会談後には日米欧の先進七カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が現地で開幕した。激しさを増す貿易摩擦の緩和に加え、イタリア政局混迷で動揺した市場の安定化が議題となった。

 麻生氏は会談で、鉄鋼・アルミニウムの輸入制限に関し「(米国が理由とする)安全保障上の懸念はない」と主張。自動車でも日本メーカーが対米投資を増やしてきた努力を評価し、冷静な対応を取るよう求めた。

 中国による新興国援助の無秩序な拡大などに関し、改革を求めることで一致。米国による対イラン経済制裁の再開では、日本企業に悪影響が出ないよう配慮を促した。

 

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