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【経済】

G7亀裂6対1 「米に失望」貿易摩擦に終始

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 先進七カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は、米国の輸入制限を巡り亀裂が広がった。世界経済は、イタリア政局混迷や米利上げに伴う新興国通貨の急落といった懸案が山積。貿易摩擦にG7の関心が奪われ、金融市場は経済変調に身構える。 

 ▽孤立鮮明に

 「貿易政策を巡って意見が異なっているとの認識は各国とも一致した」。議長国カナダのモルノー財務相は閉幕後の記者会見で、米国と他の六カ国の分断が浮き彫りになった会議の結果を複雑な表情で説明した。

 世界経済が直面する諸課題を話し合う予定だった二日目の協議で、モルノー氏は「貿易に特化したい」と提案。輸入制限を発動した米国を六カ国が一時間強にわたり非難し、米国の孤立が鮮明になった。

 モルノー氏は議長総括で、米国に対し「懸念と失望」を訴えた。ムニューシン米財務長官は直後に「合意に米国は含まれていない」と不満を表明。トランプ米大統領は「貿易戦争に負けるわけにはいかない」とツイッターに投稿し、聞く耳を持たなかった。

 ▽強く迫れず

 米輸入制限を巡り、欧州連合(EU)やカナダは世界貿易機関(WTO)への提訴や報復関税を準備する。これに対し、日本は首脳間の対話による解決を期待。麻生太郎財務相は「トランプ氏に最も近い首脳は安倍晋三」と強調した。

 だが、日本は米国に対して思い切った行動を避けたいのが本音だ。十二日に予定される米朝首脳会談で、トランプ氏に拉致問題の解決を訴えてほしいと望んでいる。七日の日米首脳会談で、安倍氏がトランプ氏に輸入制限の撤回を強く迫る図式は描きにくい。

 ▽にじむ思惑

 五月下旬、G7の一角を占めるイタリアの政局混迷に市場は激しく動揺した。三十日の東京株式市場で日経平均株価は急落し節目の二万二〇〇〇円を一時割り込んだ。市場関係者は「問題は長引く可能性がある」(大手証券)と警戒を強めた。

 アルゼンチンやインドネシアなど通貨安に見舞われる国も相次ぐ。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げで投資マネーの流れが大きく変わり、G7と共に世界経済を引っ張る新興国に悪影響を及ぼしている。

 八、九日にはG7首脳会議(サミット)がカナダで開かれ、トランプ氏と各国首脳が相まみえる。貿易政策で亀裂が決定的になり、日本政府高官は顔をしかめた。「首脳宣言を出せるのか、各国が心配している」 (ウィスラー・共同)

 

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